香川の谷
- 流程が短い
- 水量が少なく、渓相が今一
- 魚影が薄い
- マムシの多い渓だと噂があった。
- 拾い物事件・・・・・・等である。
- 1番目は、時間ができて、半日でも、釣りたいと思ったとき丁度いい谷だ。
- 2番目は、雨が降れば何とかなるし、上流に行けばそれなり場所もある。
- 3番目は、魚影は濃いほうが良いが、数にこだわる釣りではない。
- 4番目は、春先なら全く問題はない。
1~4番目に関しては言い訳みたいなもので、全く問題ないのだが、5番目がなんとも厄介で、私をこの谷から遠ざけている原因だった。
拾いもの
それは、10年程前の、3月からの徳島、高知の解禁を前に2月末のことだった。
「ちょっと面白い谷があるから行ってみない。あまりきつくないし、人があまり行かないから大きいのいるかもしれないよ」っと岡ちゃんを誘ってK谷に出かけた.釣果はあまりよくなかったが、それでも何尾かのアマゴが遊んでくれたことに満足して、いつものように15分程のきつい斜面を登り始めた。5分ほど登ったところで白いものが目に入り、それを拾った。
「何だ、紙か」そのまま捨てていればなんでもなかったのだが「何か書いてあるよ」 と読み始めた。
「わぁーーーこれ遺書じゃない」 と岡ちゃんに差し出した。
「ほんとだ、どうしようか・・・・・・・」二人は、顔を見合わせた。そして、恐々と辺りを確認した。
「何もないようだけど・・・・・・」
「やっぱり、警察に届けるべきだよこれ」それから、物凄いスピードで林道に這いあがった。
林道を車止めに向かうまでも怖かった。林道のカーブを曲がったとことに車が止まっていて、嫌な予感がする。ある種の正義感から恐る恐る中を覗き込んだ。
「ビックリさせやがって、何だ廃車かよ、こんなところに車捨てるんじゃないよ」
「大丈夫、大丈夫・・・・・・」
冷静さを装うとしたが二人とも相当動揺していた。車止めに着き、着替えもせず、一目散に山を下って、近くの派出所に飛び込んだ。その派出所は無人の派出所で「御用の方は××署に電話してください」と書いてあった。すがるような気持ちで電話をした。
「どうかされましたか?」
「斯く斯く云々なんですが・・・・・どうすればよいでしょうか?」
「わかりました、そちらに行きますので30分ほどお待ちください」とのことだった。
「待っていますので早く来てください」が、この30分が長かった。岡ちゃんと二人、会話が途切れると不安になるので、訳のわからないことをしゃべり続けたような気がする。やがて、パトカーが到着した。
「実は、こんなものを拾ったのですか」と遺書を差し出した。
警官二人も、オドオドしている小心者の二人に同情している様子で「わかりました。今日は遅いので後日調べてみます。」
「すみませんが、気になるもので何かわかりましたら電話してください・・・・・」と、自宅の電話番号を告げた。あれから、警察から電話はかかっていない。また、遺体が見つかったとの情報も無い。思いとどまってくれていればいいのだが・・・・・・・・
そんなことでK谷には近づいていなかったが、先週、カッキヤンとの二日目の釣行、カッキヤンの帰りの時間もあり、2、3時間の釣りということでK谷に入渓した。(二人だし、10年近く経っているし、あの時の怖さも薄らいでいるし、もう、大丈夫だろうから・・・・・)
先週、K谷からの帰りに上流に向かって車で走っていると、伐採している隙間から谷底を見ると気になる滝が2つあった。
林道の伐採の隙間からから見えた滝二つ
(霧がかかって見えにくいが)
右滝下の淵もあり、
大物の予感がただよっていた。
来週からの高知、徳島が解禁するため、今週は体を休めるために釣りには、行かないつもりでいたが、うまい具合に、暖かい雨が降り、先週見た滝の淵が気になって仕方なく、拾い物事件の恐怖より、釣りたい気持ちが勝り10時過ぎにK谷に向かい家をでた。
滝の淵2箇所だけを釣るつもりでK谷に降り立ったが、雨のために先週より2,3cm増水している様子で、先週納竿した上の小渕が良さそうだったので竿を出した。一投目から5寸程度のアマゴが上がってきたのに気を良くして、ポイントごとに竿を出した。
K谷アマゴ(18cm)
以前放流したのが天然化したのか
はたまた、その子孫なのか
朱点の数が多いヒレピンのアマゴ
最初の滝(10m)
水深が浅くアタリがなかった。
2番目2条の滝(8m)美しい
水深もあり、大物の予感があったが
上がってくるのはハヤばかり、20匹以上は釣った
ここで納竿
2番目2条の滝(8m)美しい
水深もあり、大物の予感があったが上がってくるのはハヤばかり、20匹以上は釣った。
ここで納竿
釣果6匹 最大18cm
(ハヤ50匹以上)
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