2002年度渓流解禁日  W谷 

渓流釣り遡行記2002
渓流釣り遡行記2002  2002/2/1
  東予水系  
序文
我々渓流を目指すものにとって、解禁日は特別な意味がある。禁漁になってから数ヶ月、再び渓に立てることを夢に見、魚が釣れることをイメージしながら過ごしてきた。釣りに行きたくても釣りに行けない、体中を埋め尽くしたモヤモヤを払拭できる一年中で一番幸せになれる日なのだ。しかし、ここ数年、私にとっての解禁日は、解禁日明けの週末と言うことになっていた。「仕事が・・・・」なんて自分自身に言い訳をしながら、一時より情熱がさめてきた感じがあった。「年をとった」という言い方はきらいだが・・・・・たぶんそうなのだろう。
 
一月の中頃に、ある人から「初日にいかない?」っと誘いがあった。
休みの段取りをして、釣り支度を全て整えて、日一日と近づいてくる解禁日を待ちわびていたのだが「解禁日、都合が悪くなったから・・・・・」   完全に宙に浮いてしまった。

「まぁ一人でも、いいか? 折角休みの段取りもしたし。。。。。。。」

解禁日前日、リュウホウさんも解禁日に行くといっていたから、どこへ行くのか聞こうと思って電話すると
「『かわせみの渓』で明日の作戦会議やっているからこない?」

誘われるままに、会社帰りにかわせみの渓へ
四国渓師会のリュウホウさんとフクマデン大西氏、アザラシ2号氏がなにやら怪しそうな作戦会議をしている。
「でっ、明日はどこへいくの?」
「××○○△△」
「会長は、どうするの?」
「まだ、一人でいくかどうか迷っているんだけど・・・・・」
「じゃ、わたしがいっしょに行きましょう」っとリュウホウさん
話は即決まった。
「でも、アザラシ2号さんとたまちゃんはどうするの?」
「まぁ、ふたりでどっかいくんじゃない・・・・・」
 
「そんじゃ、そろそろいきますか?」

解禁の谷へ
『かわせみの渓』からそのまま、リュウホウさんの家へ、私の車に荷物を積み込み、私の家へ、そして、私の荷物を積み込み いざ解禁日の渓へ夜討ちをかけた。

国道から渓沿いに続く林道に差し掛かると「通行止め」看板

「がぁーーーん」
「行けるところまで行きましょうか」
林道をしばらく走ると、林道は封鎖されていた。暗がりの中様子を見に行くと路肩が崩れていてとても車が通れ
る状態ではない。

「ここまでやなぁ 後どれくらい?」
「目的の入り口まで2km弱ってところかな 今宵はここで前夜祭ですね」
いつもなら渓にお神酒を流して、一年間の安全を祈願するのだが、今日の車止めからは、渓が遠い「どうしたものか?」と思っていると車を止めた先にお地蔵さんがあった。お地蔵さんにはちゃんと湯飲みが備わっていて、その湯飲みにお神酒を注いで安全祈願をお願いした。朝起きてわかった事なのだがこのお地蔵さん交通安全祈願って書いてあった。「まぁいいでしょう。親戚みたいなものだから・・・・・・」

そして、前夜祭は盛大に・・・・?始まった。

「どうも解禁日は興奮して眠れないのだけど・・・」っと話すと
「試してみる?」っとリュウホウさんが睡眠薬をくれた。
しばらく酒を酌み交わすと睡魔に襲われ朝までぐっすり・・・・・・・
朝の5時くらいに同業者の車が来て、リュウホウさんっと話しているみたいだったけど睡眠薬のおかげで意識が朦朧としていて話に加わることができなかった。

土砂崩れの車止めから渓の入り口まで20分、渓の入り口から入渓地点まで20分、緩い斜面をこけながら降り渓の流れに立つ 。冬の渓独特のピーン空気の張り詰めた感覚に「今年もまた、はじまったんだ」っと幸せな気分になった。

 
 

水温が低い(3℃)せいか、アタリは渋かった。それも、何投目かで5寸ほどのアマゴが針がかりし、またまた、幸せな気分に・・・アタリが渋いまま渓の核心部へ4だん100mの滝下でようやく8寸が出た。

リュウホウさん
オフシーズン月に2、3度登山していて
足腰は達者だ

アマゴ24cm
写真では分らないがサビのないきれいな魚体だ
8寸が釣れれば「ゴキゲン」そのもの

白泡が切れたところで3度アタリがあった。

4段の滝
4段合わせて100m近い落差がある
餌箱を忘れていることに気づいたのは
滝上の淵を釣ろうとしてからだった。
再び滝下まで降りてこようとは・・・

8寸を釣り上げ気分を良くして、4段100mの滝を高巻いた。4段目の滝は降りることができるのだが雪で滑り落ちそうなので今日はやめた。滝上に立ち次の淵を釣ろうとすると餌箱がない!さっきアマゴの写真を撮ったとき忘れてきたようだ。「ガァーーン」もう一度滝下まで行かなければならないのか?折角竿を伸ばしたところだから、リュウホウさんに餌をかりて目の前の淵を済ませてからとりに行くことにした。

「体力強化トレーニング・・・・いってらしゃぁい」っとリュウホウさんに見送られ滝下へ

リュックと魚籠を下ろし空身になるとかなり楽だ。雪の積もった斜面を転げながら滑りながら滝下に向かった。滝下まで5分、餌箱はすぐに見つかった。10分もあれば滝上までは楽勝と思ったのだが、初日とあって可也足にきていて登りはきつい・・・・・結局4段の滝を上下するのに25分を要してしま い、とんだ『体力強化トレーニング』になってしまった。

リュウホウさんのいる方へ川を渡ろうとして
「ああ、しんど・・・・」っと言ったか言わないうちに滑って転び左腕を痛打した。それにしても今日はよくこける。オフシーズンをノンベンダラリと過ごしてきたツケが一度に押し寄せてきている感じだ。

滝上は、日当たりがいいせいだろう。幾分魚が出るようになった。3段淵を過ぎたところで納竿林道を求めて左斜面へとりついた。昔の林道らしき獣道を経由して本林道に突き当たった。トボトボっと、またまた、コケながら車止めへの長い道のりを歩き始めた2人であった。

「ああ しんど」 でも、快い解禁日を向かえることができ満足のいく初日だった。

当日データ
  釣果10匹(キープ1) 最大24.0cm
  リュウホウさん  4匹(キープ無)
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渓流釣り遡行記2002
渓流釣り遡行記2002一覧  この写真は、去年の最終日「原生林の中を流れる渓」の魚止めの滝です。釣り人は、四国渓師会のアメゴさんです。 残念ながら滝の主は不在でしたが『魚止めの滝』という言葉の響きに、憧れを感じずにはいられません。今年も、で...

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