渓流釣り遡行記2004 2004/8/21
高知東部水系 A谷 439道中記
高知東部水系 A谷 439道中記
土曜日、台風10号の事後処理もほぼ終わり本格的に釣りに出かけることにしたが、いまだ釣行先を決定できないままAM6:00に家を出た。嶺北方面は県道がいたるところで寸断しているらしい、A川も瓜生野で前面通行止めとの情報を得ていた、こうなれば比較的雨量の少なかった高知県東部の渓にしたほうが良いだろうと東へラシーンを向けた。
A川支流H谷の渓相
H谷の車留
「どの渓にしようかな・・・遅くなったことだしH谷にするか・・・」とR55を左折してA川を北上していった。やっとH谷の源流に到着、地図で見るよりかなり遠い、国道から30Km1時間強であった。準備を済ませ最後の堰堤上に入渓すると水量豊富な平瀬が流れていた、H谷源流は始めての釣行、この奥にはいったいどんな渓が待っているのだろう。
(仮)H釜を下段の滝下から
第1投目はもつごがヒット、少し不安になったがすぐにちびあめごがヒットした、「おるねーー(^^)」、良いポイントまで飛ばしていくと6寸7寸とヒットしてくる、魚影は濃いほうだ。
H谷林道がH峠へ登っていく第1ヘアピンの下を越えたあたりから渓相が良くなってきた、魚影もますます濃くなってきた、切り立ったV字渓であるが何とか遡行できる、もう少し水量が多いと無理かもしれない。
標高440mの右カーブで大きな釜に遭遇、いい感じで渦巻いている、沈め錘をセットして深く沈めると5寸7寸と連続でヒット、落ち込みの横に餌を入れると9寸が釣れた、もう釣り荒れたか?、落ち込みを狙うため長仕掛けに変更、錘を5B2つにして木漏れ日の下へ放り込んだ。
少し間をおいて「クンクン・・・グー-ン」と強い引き込みがありなかなか上がってこない、渦の影響があるのか、それともとてつもない大物なのか、竿で耐えること10秒ぐらいか、魚体が白泡の上に一瞬浮いてきた。
「うっ・・・尺あるぞ、それもスレで背鰭あたりに針が掛かっているようだ」、大あめごはグングンと落ち込みめがけて逃げようとする、竿を左に寝かして耐えるとうまく流芯に乗った、一段下の渕に落して取り込んだが玉網を持ってなかったのでヒヤヒヤだった。
H釜
H釜の尺上
針はチャンと上顎に掛かっていた、魚体をよく見ると2回ラインが巻きついた跡がくっきりと残っていた、スレかとおもったが巻き付きだった。時刻はまだ10:30である、当然のごとく上流に大きな期待を抱き高巻きにかかったが、右も左も途中で断念、無理したら上れないこともないが、その先がどうなっているのか?、チャンと釜の上部に降りられるのか?大高巻きになってしまうのか?、撤退ルートがあるのか?全く判断がつかない。
タバコに火を付けて小休止、デジカメを忘れてきているので撮影ができない、魚の腹を捌いてから下流で高巻きルートを探す事にした。
無い(TT)、V字渓に高巻きできそうなルートが無い、探しながらとうとう右支流まで下ってきてしまった、右支流も全く登れる所が無く、装備のめんから今日の遡行は断念せざるを得なかった。
【8月22日-25日】
・・・H川の釜の上が気になってしかたない・・・デジカメで撮影もしたい・・・25日退社際、とうとう休暇を申し入れた。家に帰り明日使用する装備を点検、ナイロンロープ20mは40cm毎に括り節を作ってラシーンに積み込んだ。
渓流釣り遡行記2004 2004/8/26
高知東部水系 439道中記
高知東部水系 439道中記
AM5:00起床、準備万端で即出発。
AM6:40第1ヘアピンに立てられた落石注意の看板横の車留めに到着、入渓準備。
装備内容
・ ヘルメット
・ ザイル8mmφ*20m
・ シュリンゲ(クレモナ12mm*1m)5本
・ カラビナ5個
・ 鉈
・ ナイロンロープ9mm*20m
・ 2mmφ銅バインド30cm*2本
・ 合羽
・ 以下標準装備
・ ヘルメット
・ ザイル8mmφ*20m
・ シュリンゲ(クレモナ12mm*1m)5本
・ カラビナ5個
・ 鉈
・ ナイロンロープ9mm*20m
・ 2mmφ銅バインド30cm*2本
・ 合羽
・ 以下標準装備
重い、普段の倍はあるだろうザックを背負い盛土の斜面を滑り落ちながら谷に降り立った。
(仮)H釜の上に下降できるルート
水量は変わっていないが少し澄んできているようだ、今日は(仮)H釜の上が主目的である、竿を出さずゆっくりと釜まで遡行する。
AM8:30釜に到着、竿を出したい衝動に駆られたが撮影だけで我慢、即右高巻きを開始した、地形図で比較的緩い右側を選択したが結構キツイ、僅かの木と根を頼りに20mほど登り上流へトラバース、足下には釜の落ち口が見える。
釜の上流部が見えた所で前進できなくなった、谷底まで20m近くの高さがある、木の根も無くロープを使って降りることにした。
(仮)H釜の上から
20mのナイロンロープを取出し木に結び付けた、殆んどの体重を懸けて降りるので括り節を作っておいて良かった、無事中段のテラスに到着、ここから下は尻制動でOK、撤退がどんな展開になるか解らないので余分な長さを切り取りザックに入れた。
美しいV字渓谷が上流へと続いている、入渓者の痕跡が全くない、はたして此処から上流にあめごは棲息しているのだろうか?新規開拓の一番の良さである、期待と不安、あめごが居た時の感激、居なかった時の落胆、全部ひっくるめて面白いのである。
竿を出し仕掛けをセット、第1投めに鋭いアタリがあり竿先を叩く、あめごのアタリじゃないか、やったーー(^^、上げて見ると7寸、うっしっしーーー、やったやったーーー、このときの感激は詩語に尽くせないものがある。「お お ば しょ で も あ れ ば ・・・ 」誰もが抱く大物への期待、なにしろ先週この下の釜で尺を自分で釣っているのである、めちゃくちゃ期待して遡行を始めた。
7寸がヒット
標準的な渓相
V字渓の谷底は思ったより浅く難なく渡って行ける反面大場所が無い、6寸7寸の入れ食い状態で時に8寸が混ざる、魚影はめちゃくちゃ濃い、前方が明るく開けたところが標高490mの源流二股であった。
右支流の魚止め
魚止めの9寸
一番期待していた二股の大渕は無かった(TT)。
先に水線の無い左支流を釣ってみると、ゴーロ場から切り立った連漠帯へと渓相は変化していった、標高680mまで釣りあがった結果、標高570m辺りが魚止めだった。谷通しで二股に引き返し今度は本命の右支流、二股の水量はほぼ同じであるが渓相は格段に右支流が良い、出る魚も8寸止まりであるが綺麗である。標高570mにある小滝の渕で9寸が出たが結局そこが魚止めであった・・・「うううーーーん・・・おおばしょがない」。
二股まで引き返し炭窯跡周辺で山道を探したが見つからなかった、谷通しで撤退、H釜高巻きルートのロープは残置してきた、再来年もう1回挑戦してみよう、8寸が10寸になっているかもしれないし・・・。
渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004一覧 魚止めを求めて源流を彷徨う。滝を高巻き、杣道を辿り、遡行を続ける。流れがある限り魚は棲む・・・一体、何処が魚止めなのか?それなら源頭を目指してさらに遡行を続ける。たぶん、さっきの小滝が魚止めだったのか・・・・驕り...
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