標高差700mの谷 東予水系

渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004  2004/5/8
  東予水系 加茂川支流   
今年になって、どうしても行きたい渓があった。ただ一人で出かけるには、厳しい渓なので誰かを誘わないとっと思っていた。連休を過ぎると仕事が忙しくなりそうなので連休明けの今しかない・・・・・副会長に電話をかけると都合が合わないし・・・・困ったなぁ・・・・
アザラシ君に電話をかけて
「いい渓があるんだけど、一緒に行かない?」
「何処へでも行きますよ。」
「ちょっと厳しい渓なんだけど・・・・・」
「いいっすよ」
「厳しい渓」から「ちょっと厳しい渓」に変わったが同行者は決まった。後は副会長から遡行ルートの詳しい情報を貰った。
情報によると車止めが標高400m、そこから釣り上がると帰りの林道まで辿りつかないので二又の少し上まで林道が付いているから釣り上がればいいらしい林道と渓が交差するところ標高500m 上流は1000m付近から緩くなっていてその辺りに帰りの林道があるらしい。
ただ、その林道二又の尾根に出会うまでは、渓から離れているから途中からエスケープすることはできない。 渓を下るにも大岩が重なるゴーロ帯と大滝の連続だからかなり危険、ただひたすら渓が緩くなる標高1000m付近の林道をを目指さなければいけないらしい。「無事に帰ってきてね。」と一言付け加えていただいた。
加茂川支流
 車止めから少し歩いて渓を覗き込むと、どうやら植林の伐採がはじまっているらしい。渓を跨いで林道と思っていた道は途切れてしまった。
「はじめっからやばいなぁ・・・・・」二又上に続く林道を見つけなければいけない。
伐採されて渓に倒された雑木を掻き分けながら、伐採の山肌に登り二又まで続く林道を探した。林道は伐採の切れ間から見え隠れしていて直ぐにわかった。この林道を辿って二又上流まで辿り付く事ができ第一段階はなんとかうまくいった。

車止めから少し歩くと、伐採の切り出し現場
伐採はどうやら右支流の方だった。
右支流上流部へ続く林道を探すために
左側の伐採斜面に這い上がった。

入渓地点の渓相
大岩が重なり合ったゴーロ帯

釣りはじめて、10m位の滝が行く手を阻む、滝下を釣っているとアザラシ君が困った様子・・・・

「どうやって巻くのですか?」
「滝横のくぼみをヘツってあの木に掴まって巻けば大丈夫じゃない・・・」とはいったものの下から見ているとハングしている部分で苦労していて、見ちゃいられない「やばいかな」と思っているとなんとかクリアーしたみたいだ。 滝下を釣り終えて今度は私が同じコースをトレースしたが、同じハングの部分が怖い・・・足を置く部分と、掴まる部分を慎重に確保してクリアーした。
林道が近づく高度1000mまで、まだ500m以上 この調子だど先が思いやられる。

右側に入力する内容


遡行は嫌が上でも慎重にならざるを得ない

アマゴ7寸(22cm)

右側の流れの緩い部分からアタリがあった。

上流に向かうにつれ渓相は荒くなる。渓に重なり合う岩も大きくなり、弱点を探し岩と岩の切れ間から体一杯を突っ張って、しがみ付きながら腕力勝負で乗り越えてゆく。それでもダメならアザラシ君に押し上げてもらい。

上からアザラシ君を引き上げる・・・・・・「ファイトーー・イッパァーツ」の世界である。二人で力を合わせ協力しながら大岩を超えるとその先には、またまた、大滝が待ち受けている。・・・・・やれやれ・・・・・・釣っている時間より、大岩を越えたり、滝を高巻きしたりの時間の方が長い渓だ。
そんな渓でもちょっと前の足跡が見え隠れして釣果の方はパッとしない。アマゴ2匹に岩魚1匹が混じる。こんなに苦労しているのにやっぱり連休明けは、纏った雨でも降らない限りリセットしないのか?
 
 

6.1mの竿を手尻いっぱいの仕掛けで
腰まで立ちこんでも滝の落ち込みまで届かない大渕

大滝を高巻く
この渓は釣っている時間より
高巻いたり、大岩を越している時間の方が
遥かに長かった。

本日の相棒 アザラシ君
正式にはアザラシ2号・・・・・・
名前の由来は本人もわからない?

セオリー通り低姿勢で落ち込みを狙うアザラシ君

岩魚7寸を釣り上げてアザラシ君ニッコリ
岩魚とアマゴの割合は4,6と言ったところ

2,30mクラスの大滝が次々と現れる
 その度、竿をたたんで大高巻き・・・・・

上流も大岩が重なり合う渓相
二人で助け合いながらでないと大岩を越えられない
「ファイトー!イッパァァーーツ!」
の場面が何度もあった」

1000m付近の大滝2段
この滝を越えると渓相は緩くなる。
そして、左支流と出会い待望の林道が現れた。

上の2段の滝を高巻きすると左からの支流に出くわす。かなり疲れた・・・・支流の流れに疲れきった足を浸して一休みしながら地図を確認する。どうやらここが標高1000m付近らしい。

やっと辿りついた喜びでむすびをパクついた。支流には林道が跨いでいた。その林道を辿って渓に降りた。林道は渓を跨いで上下に伸びていた。副会長の情報とはちょっと違うけれど、下に伸びている林道はたぶん帰り道に違いない。それが証拠に新しい足跡はここで消えていた。
渓は地図の通り緩くなった。しばらく釣り上がると待望の8寸が針掛りした。それから、入れ食い状態になりかかった。アマゴと岩魚が交互につれ始めた。「よし、これからか?」なのだが午後3時を過ぎてしまった。帰り道は確保したとはいえまだ不確定に近い。車止めまで標高差700m初めての渓でこれ以上長居をするのは危険すぎる。高度1100mここで納竿となった。

案の定帰り道は2時間以上かかってしまった。最初は平行移動、途中から膝にくるような急斜面を辿ってなんとか車止めに到着した。今日の渓は、釣果云々よりも遡行の達成感が残る渓だった。まんぞく!満足!

渓が緩くなって足跡が消えた。
林道を経由して帰ったのだろうか?
そして、漸く8寸のアマゴが出た。

落ち込みの深みからアタリがあった。

高1100m・・・・渓相は穏やか
入れ食いの様相になってきたが
時間は3時をこえてしまった。
車止めまで高度差700m
果たしてどれ位の時間がかかるやら・・・・
ここで納竿とした

当日データ
  釣果25匹(キープ無し) 最大24.0cm
渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004一覧 魚止めを求めて源流を彷徨う。滝を高巻き、杣道を辿り、遡行を続ける。流れがある限り魚は棲む・・・一体、何処が魚止めなのか?それなら源頭を目指してさらに遡行を続ける。たぶん、さっきの小滝が魚止めだったのか・・・・驕り...

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