愛媛の渓 439道中記
会長の焚火語りによると、過去5回の遡行でW谷の全容を解明したそうである、左支流を越えて渓相は変化に富み特に美しい、下から四段の滝、直角の滝、三段の滝、尺滝、と自分で命名するほどこの渓に愛着を持って接している、話の節々にもその奥深さが滲み出ているのだ。
最初の難関四段の滝に出くわしこれを突破するためのルート探し、大高巻きでクリアーしてすぐに現れる直角の滝、巻きにくい三段の滝、そして行く手を拒む尺滝、源流二又まで遡行しないと抜け出ることのできない源流部、最悪のエスケープルート、好きでやっていることとは言え、この渓を完結した努力に頭の下がる思いがする。
毎年解禁谷はW谷と決め、日付が変わると渓へお神酒を厳かに注ぐ会長、会員の無事帰還と大漁を祈願している。 わたぐじも御神酒の金綾をささやかに注いだ(あくまで渓にですよ・・・渓に)
愛媛の渓 439道中記
上りやすい手前の沢で少しアルバイト気味に高度を稼ぎ、傾斜がキツイ植林の中をトラバースしてきたがこれと言った山道はなかった、植林からやがて雑木の急斜面に変わり木立の隙間から谷筋が見えてきた、谷の曲がり具合から直角の滝の位置がハッキリとした、今は高度で50m程度上に位置している、少し下流から四段の滝音が聞えてくるので間違いない。
断崖の隙間を縫って生えている栂(ツガ)や石楠花の木をホールドにして下降にかかった、最後はロープを使って谷に降り立った、バッチシ目的の入渓点だった、「ふーーーッ、やったねードンピシャで入ったデー」、「病み上がりには少しきつかったです、ハイ」、2時間のアプローチだった、「とにかく直角滝の渕を釣ってみたら」。
記念の06解禁初のアメゴはモッチャンの手に
右は落ち込みからわたぐじがゲット。
滝を右から巻いて落口の小渕で6寸2匹、モッチャンもすぐ上の小渕でヒットしたようだ、「こんなポイントで釣れるってことは凄いことになるかもしれんでー」。
渓相は超A級、斜度がありヨダレの出そうな渕が連続して現れる、雨の雫が水面を叩き僅かに増水している、餌は仙人に貰ったB虫(今年は8匹入っていた)、絶好のコンディションの中でアタリの連続となった。
アタリはこの時期独特で竿先で確かめないとヒットしたかどうかが分らない、何匹かバラシたが徐々に勘が戻ってくるのを感じた。モッチャンもアワセのタイミングに戸惑っているようだが、仁淀川で育ったとあってかなり筋が良い、アメゴを釣り上げてはニンマリの遡行が続いた。
湯を沸かしカップ麺に注ぐと湯気が立ち昇る
冬場の渓飯はこれに限る・・う ま いッ。
雨で岩が濡れて座れないのでこのスタイル
いよいよ尺渕に竿を出すことになった、モッチャンが左からわたぐじが右から餌を入れる、正面からの漠風をまともに受け留めると飛沫でビショヌレ状態になったが、尺アメゴの顔を拝みたい一心で頑張った、一投毎にアタリがあり連続して10匹釣れたが全て放流。
ここで餌が尽きてしまったのでモッチャンにヘルプ、「ミミズ分けてちょ」、「いいっすよどうぞ」、「すまんのう、半分に千切って使うわ」。
浅い渕で9寸が泳ぎ廻っている。
先ほど3匹釣った後なのだがその刺激を受けて活性が高まったのだろう。
この時期日暮れが早いし天候も不順で空が暗い
深追いせずに計画通りの納竿とした。
撤退道は一箇所崩れがあったが順調に目標の尾根へと続いていた、3:30尾根に到着、後40分の下りが残っているが道がしっかりしているのでもう安心だ。
【腹がへっての帰り道】
うどん店の看板がやけに多くて目障りでしかたない、”讃岐うどん”とか”さぬきうどん”とか愛媛なのになんで讃岐なのか?うどん=讃岐なのか?ならば”うどんうどん”でも良いじゃないか、伊予うどんの方が男らしくて良いのにな、このすきっ腹にアツアツの汁とうどんをジルズルと流し込んだらさぞかし幸せやろなー(涎)。
しかーし、家に帰ってのビールの方がもっと魅力的やしなー、やっぱりビールは喉カラカラのすきっ腹にどかーんとぶち込んで胃痙攣ピクピクてのが一番なのだが、じつはここで風呂の問題点が大きく立ちはだかって大変迷うのだ、あなたはどの派閥ですかな?それとも紙面の無駄?。
「もうーだめなの限界なのよ、風呂より先にビールじゃー風呂に入らんでも死にゃせん」と人生の喜びを早くむかえたいという(先取派)?、「いやいや風呂に入って身を清めてからが一段とウマイに決まっとる」という(熟成派)?、「いんやビールが先」「なにゆうとんや風呂が先」、「まぁー待て風呂の中でビールってのはどうやろ」という(欲張派)?、「わしゃ朝から飲んどるでー、渓やったら何時何処で飲んでも最高やー誰か運転してやー」と風呂の後先を考えない(R派)?、「ビールは朝飲むのが一番美味い」という(早朝派)?などと考えていると頭の中が混乱してきて危うくインター入り口を通り過ぎるところだった。
R439、max26.5cmを頭に40匹
モッチャン、max24.5cmを頭に19匹
キープ 二人で7匹
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