とっておきの小渓

渓流釣り遡行記2024
渓流釣り遡行記2024
  吉野川水系   2024/3/7 晴れ
早春の時期、南向きでとっておきの小渓だったがここ何年か釣れない谷になった。
去年は、雪の上に残った足跡と淵尻で捌いた腸を追う展開の厳しい釣りだった。
それを釣友に話すと、彼も同じことを感じているようで
「解禁日くらいに釣り切られてしまう・・・・小さな谷で、あれをやられるとアマゴが居なくなる」と嘆いていた。
今年は暖かく、北斜面でも雪なしの解禁日だった。
雪なしなら、解禁日に態々あんな小さな谷へ入るだろうか?と考えてみた。
昨日、一昨日と纏まった雨が降ったので去年とは違った展開になりそうな予感、ある程度の勝算がありそうなので『とっておきの小渓』の釣行を決めた。
苔の生えた車止め
車がUターンすれば残るであろう切り返しの跡は無かった。
標高を稼ぎながら尾根を一回りするアプローチ、相変わらずキツい登りだ。
目を凝らし、落ち葉の踏み跡を探るが今年は誰も歩いていないようだ。
読み通りの展開にハァハァー言いながらも先を急ぐ
 
植林に入ると周囲が急に明るくなった。
「えっ、間伐・・・・去年はなかったぞ」
そして、真新しい道がついていた。
この道は何処から続いているのだろうか?工事は一区切りしているようで真新しい足跡は付いてない。
工事関係者、林業関係者に釣り好きがいないことを願うばかりだ。

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さて、下の大滝をどうする。
下りはヨイヨイ、登りのキツい傾斜がメチャ堪える。
一谷終わった後の帰りは、軟弱パスになる可能性があるので、先にやるのが正解だ。
上から落ちてきてデカくなるのが居ても不思議ではないが5寸が1尾だけ・・・・期待が大きかっただけに登り返しの急斜面は余計にシンドかった。
前日30㎜の雨ってこんなものか?
この渓にしては多い方で倍以上は流れていると思う。
アマゴは淵の真ん中で泳ぐ姿を見かけることが多く反応も悪くない。
「良い引きだなぁ」と思っていたら8寸前だった。
良いサイズのアマゴは白泡の中や水の流れが速い筋で喰ってくる。
アベレージサイズは6寸くらい
8寸前が連続して針掛かりするようになってきた。
去年の貧果を考えればアマゴの魚影は確実に戻っている。
歩きはじめた時は小雪が舞っていたのでライトダウンを着込んできた。
空は晴れわたり気温がどんどん上がり身体を動かすと暑いぐらいだ。
3月になった実感を感じられた。
15分くらいアタリが遠ざかっている。
小渓一番の大淵、狙うのは沈んだ岩下のエグレ・・・・エグレに沿って仕掛けを流したが針掛かりしたのは5寸が1尾だけだった。
ソロソロ大物が出だす区間なのにどうしたことか?
大量の枯れ木が淵を2分していた。
渕尻の枯れ葉の中から7寸を誘い出した。
落ち込み下は仕掛けが流されると絡みそうなので落ち込みを巻いた上から竿を出した。
チョット良い引きで枯れ木の中に潜り込もうとしたので強引に引き抜いた。
漸く8寸・・・・8寸あるなら、もっと大事に取り込めばよかった。
次の淵も8寸、小渓でもそう簡単に釣りきられてしまうわけではない。
チビと良型が間隔を開けて泳いでいた。
2尾の前に餌を落とすとチビが喰い付こうとするので場荒れを嫌い仕掛けを水面から上げた。
「怪しまれたか?」
今度は良型の直ぐ横に餌を落としたが興味がないのか無反応・・・・また、チビが寄ってきたなと思ってたら良型がチビを追い払い餌に喰い付こうとする素振り、合わせを入れるタイミングを計るが喰ったと思ったら餌を吐き出している。
コッチをじらしているのか・・・・
ソッチがその気なら、喰う直前に餌を動かし逆じらし・・・・餌を逃すまいとパックと喰い付き横走りしたところで合わせた。
ギリだったけど待望の9寸が出たことが悦ばしい。
昔は源流の二又までアマゴが居たのに魚止めは随分下がってしまった。
釣り切ってしまわなければ、次の年にアマゴは大きくなって楽しませてくれる。
しかし、渓の再生力には限界があることを知らないふりを釣り人が多い。
釣りが早めに終わったので対岸の早桜を見に行った。
地味な色ばかりの風景に濃いピンクの花が眩しい存在です。
春は確実に近づいている。
遡行データ
  2024/3/7   晴れ  吉野川水系
  遡行距離:4.5km 標高差:300m 
  釣果:21尾 最長寸:27.0cm

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