四国の渓流釣り 2004年度 渓流遡行記 |
2/1 W谷 前夜祭付き解禁日 |
2/14 広見川上流 |
2/21 加茂川支流 高低差650m |
2/28 東予水系 N谷 9寸連続ヒット・・・泣き尺 |
3/6 物部川支流 「四国全面解禁鍋を囲む会」 |
3/13 幽霊谷 幽霊谷 |
3/20 那賀川支流 |
3/27 四万十川支流 |
4/3 海部川源流 |
4/3 海部川源流 右支流 |
4/10 那賀川支流 |
4/17 鞍瀬川支流 |
4/24 幽霊谷下流 四国渓師会 春の釣り大会 |
4/29-30 高知東部水系 馬路温泉ツアー |
4/30 高知東部水系 高知県東部の秘渓 |
5/8 東予水系 標高差700mの渓 |
5/30 穴吹川源流 |
6/5 面河川源流 |
8/12-13 物部川源流 |
8/28 高知東部水系 平川で尺2本 |
8/21・8/26 高知東部水系 A川源流 |
7/10 吉野川水系D川 |
四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2004年度) 平川で尺2本 高知東部水系 記:R439さん |
四国の渓流釣り |
高知県東部水系 |
2004/8/28 雨 |
台風の上陸と接近が相次ぎ、四国各地の川は大きな痛手を受けているとの情報が入ってきていた。 四国の雨量データを調べてみると、釣りができそうな川は高知県東部ぐらいと思えた、朝早く出発したものの、例によって遡行する谷をハッキリ決めずにR55を東へと車を走らす。 予報では、昼からまとまった雨が県東部に降るとのことだったが、フロントガラスには既に雨粒が落ちてきている、長時間雨に打たれながらの単独釣行はちょっと厳しい、知らない谷で撤退ルートを発見できなかったら・・・焦るよな。 「大物が出そうで、短く、帰り道がある谷」と言えば・・・ふと地元の老釣師の話を思い出した、「・・・○×△のTN谷で釣ったことあるかよ?・・・なけりゃーいっぺん行ってみいや、面白いかもしれんぞ・・・帰る道?・・・左にあるけんど判りにくかったら谷通しがええ」、最近は専らチャラ瀬専門で釣っているという老釣師の視点は、遠く懐かしい渓の記憶を追っているように伺えた。 |
|
TN谷川 | |
車留めに到着したとき雨は本降りになった、このまま降り続いても2,3時間は釣りになるだろうと入渓準備を終えた、地形図で確認すると中流からはかなり厳しい渓のようで等高線が込んでいる、850mの水線終いの林道終点までは高低差400mで4時間といったところか、雨が激しくなってきたら潔く撤退しようと決めて下降を始めた、一度左支流のTS谷を渡渉し二股の尾根を越えてTN谷へ入渓した、渓は川原状態で砂利の浅瀬が暫く続いた、両サイドは営林署の山を一度伐採した後、植え付けて20年といったところか、渓に傾斜がでてくるとゴーロ場に変わり良いポイントが前方に現れた、4.5mの竿に08の仕掛けをセットして手前のポイントを探ると一発で5寸がヒットした、どうやらあめごは居るようだ。 |
|
左横:TS谷渡渉点から(前方左奥がTN谷) | |
細長の4畳渕に餌を流し込むと、ラインが止まった、慌てて合わしてしまったが竿は大きく曲がる、竿を立てると流れに乗って魚体がゆらりと浮いてきたが、すぐに大岩の向こうに引き込まれた、「しまった、でかいやんか!」と、慌てて引き抜こうとしたのが大失敗、08がプツンと切れてしまった、逃げた魚は大きい「尺あったかも!(TT)」、それにしても脆い08、ビシを付けたあたりから切れていた。 |
|
|
左横:暗い6畳渕、此処からが核心部 下:9寸(27cm)雌 |
ここからは険悪な渓相が見上げるように続いている、いつしか両サイドは天然林に変わり渓らしくなってきている。 |
|
左横:堰の上の数少ないポイント
|
|
竿を出すと5寸6寸は釣れるが良渕が無いためか大物が出ない、竿をたたんで暫く空遡行するとコンクリートの堰が現れたが何の目的なのか良くわからない、砂防にしては規模が小さすぎるし、取水なら導水管があるはずなのに?、「人が入ってるのかー・・・」と、残念な気持ちもあるが、キツイV字渓の遡行なので人口物があるとホットしてしまうのも事実だ、とにかく今日は単独なので早く撤退路を見つけておきたいが、小さな堰の近辺にそれらしき山道は見あたらなかった・・・それなら遡行するしかない。 |
|
堰の上から少しの間8寸が出て入れ食い状態が続き、まもなく25mの大滝が出現した、この滝は落ち口が二つある珍しいV字の滝で二段の釜を持っている、左手前の傍らに祠があって何か謂れでもあるのだろうか?かなり不気味な雰囲気のする滝である、しかし人が通えるだけの山道が何処かにあるはずなので少し安心だ。 下段の滝壷で7寸がヒットしたがリリース、8寸の魚影も確認できた、上段の釜は遠目には広さ20畳ほどで水深も3mはありそうだ、下の釜との段差は3mで上ることはできない。 祠の前でタバコに火を付けて高巻きルートを探していると、祠を巻くように僅かな形跡があった、踏み跡を辿って這い上がると廃道ではあるがほぼ水平に延びた山道に出合うことができた。 |
|
上:TN谷のV字滝 |
|
左横:30mの大滝(段漠) | |
さてどうしようか?時刻は10時30分、雨脚はそれほど強くないし、撤退に使えそうな山道も発見したので、「もう少し」と遡行を続けた。 6寸以下だがよく釣れる、渓相は相変わらず険悪、そして30mの大滝に遭遇してしまった、とても暗く滝壷が小さいので魚が棲めるように思えないが、一応挨拶代わりに餌を投入してみた、やはりアタリは無かった。さて、谷通しで先ほどの山道まで引き返すか、もう1つ滝を越えるか迷ったが、右のテラスを回りこんだ個所がもし通過できたら、あとは滝の縁をなんとかなりそうに見えたので右高巻きに取り掛かった、下で見るより結構高く感じながらテラスを回りこむと、問題の個所は手掛りの無いスラブだった「こりゃー吸盤がいくつ有っても通れん、蛸でも無理やで」と諦めたが、せっかくここまで昇ってきたのに・・・。 |
|
テラス続きで滝とは反対方向に幅30cmほどのバンドがあったので辿って行くと、木の根頼りで昇れそうな怪しいルートがあった、しかし少し昇ると次の手掛りの根が無くなって前にも後ろにも移動できなくなってしまった、ハッキリ言って半泣きである。 |
|
右横:TN谷堰堤(H8年竣工) | |
どうやら今は標高830m辺りに位置している、水線終いには営林署が開設した林道の終点が来ているはず、まさか谷通しで帰れるはずないし、左岸のこの山道を撤退するのは危険すぎる、このまま源流を目指して釣り上がり林道を使い楽して撤退する計画に決定。 山道を辿るとうまく滝上にでた、釣ってみると小型だがよく釣れる、堰堤が三段あったが魚が切れることもないまま釣り上がり、水線切れで餌切れになった。 丁度12時、林道は地形図どおりチャンとあった、なんだか突然終わってしまって少し物足りなさを感じながらトボトボとTN谷林道を下っていった。 |
|
|
1時間で左支流TS谷の橋を渡った、TS谷林道と合流したところにゲートがあり、TS谷TN谷上流どちらにも一般車は入れないことになっている。
|
上:TN谷納竿点の渓相、まだまだ魚は出る | |
TS谷川 | |
雨は相変わらずショボショボと降り続いているが、橋の上からTS谷を覗いた感じでは増水はしていないようだった、どちらかと言えば笹濁りでベストの状態だろう。 餌は車にあるし、2時間ぐらいの釣りだったら後の予定にも問題ない、嫌になったら林道はすぐ上に通っている、「じゃあ釣るしかない」と、車留めで餌を充填し、朝下降したルートでTS谷に降り立った。 |
|
|
左横:9寸が出た渕(本日最大の良渕) 下:体高のある9寸 |
|
|
渕は扇状に広がって水深は2mぐらいか、大物の期待が膨らむ、流れ出しから5寸6寸と釣れてアタリが止まった、錘を付け加えて落ち込み周囲を探っていると、コツコツコツ!と大物のアタリがしたがヒットしなかった、今度はミミズを2匹付けて左の巻き込みを探ったら同じようなアタリがしたがヒットしない、3度目はミミズのでかいのを選らんで落ち込みの中心から左を探っていると、コツコツコツ!とアタリがあったので「まだまだっ!」と、間を置いて合わせると竿が曲がった、強い引きだったがうまく流れに乗り難なく岸に引きずりあげた、体高のある9寸の雄だった。 |
|
|
左横:平瀬が突当たったポイント 下:32.1cmの雌 |
|
左横:この谷ではこの程度のポイントで も見逃せない。 下:9寸(27cm)雄 |
少し上流に本当に良いポイントがあった、小さい落込みのある渕は、樹木で覆われて影になっているが周囲は開けて明るい、大岩があって流れ出しまでの距離がある、水深は大岩の前が一番深く1mはあるだろう。 手前の岸に上がって渕尻を見たが大物が出ている気配はしない、慎重に渕を見ながら接近すると4寸のあめごが走った、大岩の前のポイントに餌を打ち込んでみたが反応がない、餌を変えて大岩越しに落込みをソット覗くと、落込みが左にもあって流芯が二つできてすぐに合流している、餌を流芯の間に流すと右の落込みからユラーッとでかい魚体が餌を追って浮いてきた、合流点で餌を周ったがアタリがない、出てきた右の落込みに戻ったように見えた、「でかい!尺前後はある!」、今度は錘を少し重くして右の落込みから深く沈めると、合流点の底でラインが止まった、枝を避けて上流に合わせるとグングンと引く、落込みでの取込には無理がある、大岩と張出した枝の隙間に竿を通して下流に竿をためこむと、水面でドシャバシャと暴れながらも徐々におとなしくなった、最後は玉網で取込んだ、体高がある30.2cmの雄だった。 |
|
|
左横:小さな落込みと長渕のポイント 下:30.2cm雄 |
|
|
時刻は3時を過ぎている、もったいないが今日はこれまでと潔く納竿、林道はすぐそばにあった。 それにしても意外だった、こんな緩い平川で尺が連発するなんて、もしかして大発見かな?。 |