四国の渓流釣り
 2002年度 渓流遡行記
2/1 W谷
  2002年度渓流解禁日
2/3 X谷
  解禁釣行から1日空けて釣行
2/9 W谷 上流部
  リベンジ釣行

2/17 銅山川小支流
  『大伐採』

3/1-2 安田川支流
  温泉付宿泊ツアー

3/9 祖谷川支流 B谷
  今年一番乗り?

3/21 祖谷川支流 K谷
  アマゴの野生

3/24 吉野川支流 K谷
  チョィッとの小渓

4/6 吉野川支流
  養殖場の渓

4/20 加茂川支流
  四国渓師会 春の釣り大会

4/29 祖谷川支流
  釣れなくても楽しい渓

5/2 ないしょの谷
  桃源郷?

6/15 祖谷川支流 C谷
  お久しぶり

9/15 祖谷川源流
  もっと、お久しぶりの釣行

四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2002年度)
   アマゴの野生 祖谷川支流K谷 

四国の渓流釣り

最悪の状況?  2002/3/21 
 5時前、最終集落の車止めに到着 風が強い。天気予報では、「風が強く大荒れ模様、午後から雨・・・・」
 「風が強いなぁ 大丈夫?」
 「渓に、入れば大丈夫と思うけどねぇ・・・・」
 6時過ぎ、渓への林道を歩き始める。高度150m15分足のふくろはぎが痙攣しそうなキツイ登りが続く、やがて植林林道に出会う。ここからは、ほぼ平行にK渓まで伸びている林道を辿り約1時間辿れば下降地点に到着する。風が強い・・・植林帯の中にいても風の強さを感じる。植林が大きく揺れる。「バキバキバキィーー」木と木がぶつかり合い折れた枯れ枝が頭の上から降って来る。ヘルメットを被ってないと危険な状態である。本当に釣りができるのか?内心心配になってきた。

 下降地点から落ち葉ですべり、転げ落ちるようにして連瀑帯の上に立つ。この渓には何度か来た事があるのだが魚止めを確認していない。その理由は釣れすぎて魚止めまで辿り着けない・・・・のである。今日は何とか魚止めを確認したいっと思っての釣行 もう少し上流から釣りはじめれば良かったのだが。連瀑帯の上にある中淵連続帯の魅力には勝てずいつものように滝上から始めることにした。
 渓の状況は、水量が少なく、水面が透明、渓に降りて弱まったとはいえ時折強い風が吹く・・・・・コンデションとしては良くない・・・最悪かも知れない。・・・・・などと思っているとリュウホウさんが8寸クラスを釣り上げて満足げな表情、私にもアタリが来て8寸前が針がかりした。「今日はいけるかも知れない」と思い直したのも束の間アタリが全く無くなった。魚は見えているのに反応がない。「やっぱりコンデションは最悪だなぁ・・・・」
 釣りはじめて2時間リュウホウさんが4匹、私が3匹・・・その後、アタリが全くなくなり、空模様が怪しくなって来た。
 「天気予報、正確だなぁ」
 「ちょっと早いけど昼飯にしますか? 雨が降ってくると面倒だから」
 10時前少し早めの昼食となった。

 昼食後、しばらくすると雨が降り始めたが事態は好転しない。林道と交差する橋を過ぎ、4段淵を過ぎてもポツリポツリと魚が出るだけ・・・・・やがてザラ瀬となり水量が極端に減ってしまった。ここからは未体験ゾーン   しばらく遡行を続けると屏風のような大滝が現れたがアタリは無かった。
 「この大滝が魚止めの滝?」
 「まだ、水量があるか大丈夫だと思うのだけど 滝を越してから判断しましょうか?」

K渓
水量が少ない。水面が透明
時折強い風が吹く・・・・
コンデションとしては最悪かな?

 

大滝を越すと

 大滝を越すと小規模ながら滝の連続帯が現れた。魚影が戻り、魚の目の前に餌を入れると「パクリ」と餌を咥える。アマゴが餌を咥えたのを見て小さく竿を合わせる。魚を見ながらの釣りがここから始まる。これこそ源流釣りの魅力だ。
 小滝の連瀑帯を過ぎても、程よい斜度があり一枚岩の床底に少ない水量を集める渓相で小淵毎に8寸混じりの6寸〜7寸アマゴが出る。
 地形図の水線手前で
 「デカイ・デカイ   カイチョウあみ・網・・・・・」
 リュウホウさんの竿が大きく曲がり9寸(28cm)を取り込んだ
 「こんな小さなところに、こんな大きなアマゴいるんだなぁ・・・・・・」
 「源流釣りってこんなもんですよ」
 「素晴らしい・・・・・・・『感動した』」

リュウホウさんが釣り上げた9寸(28cm)
座り込んでいる小さな落ち込みから魚がでた。
「こんな小さなところにこんな大きなアマゴがいるんだなぁ  『感動した』・・・」
「源流釣りってこんなもんですよ(笑)」

尾が痛んでいるのは産卵のあと
こうして産卵が正常に行われているこの渓は健全そのものだ

 

ようやく私にも8寸(24cm)魚体が白い天然ものだ
細い深淵  淵の中央部からアタリがあった。
なかなかいい渓でしょう?

アマゴの野生
 少し深みのある小渕でアマゴが群れていた。何匹かアマゴを釣り上げたのだが、その中の一番大きなアマゴ(25〜26cm)が餌に反応しない。本来なら最初に餌を食ってくるのだが・・・・・そのうち岸近くでバシャバシャと身をくねらす。「何だろう?」と見ていると何かを咥えている。「共食い?・・・・アブラハヤ?・・・・いや手足があるから・・・・イモリかな?」
咥えては放し、咥えては放し必死に飲み込もうとしている。カメラを出し近くで撮影しようとしていると、ようやくこちらに気付きそれを離して深みに逃げていった。後に残されたそれを確認すると12,3cmのサンショウウオだった。アマゴが岸近くにいたサンショウウオを襲ったのだ。・・・・・岩魚が小さな蛇を襲うということは、本で読んだことがある。今、目の前で起こった出来事はそれと同じようなことだった。アマゴという魚に『天然』というより『野生』を感じた瞬間であった。
アマゴに襲われたサンショウウオ(12、3cm)
尾の付け根に付いた白い部分が
アマゴに噛みつかれた傷跡
サンショウウオにも驚いたが
アマゴがサンショウウオを襲うなんて・・・・・
天然というよりも野生を感じた。
水線上で渓リュウホウさんが釣った8寸
まだ、まだ魚は止まらない
むしろ増えてくる感じだ・・・・・・
魚止めの確認

 地形図の水線を越して、水量がかなり少なくなっても魚が出てくる。むしろ増えてくる感じだ。「どこまでいるのだろうか? 」またまた、魚止めの確認ができないのでは?心配になってきた。
 K渓の魚止めは水線から高度100m上、廃屋がある付近だった。

リュウホウさん
魚止めにて記念写真

本流出合いの滝上から魚止めまで
快い疲労感と達成感が体中に走る。
いやいや、
まだ、車止めまで2時間強の帰り道が待っている。

 

水線から100m上
ようやく魚止めだ
この上で谷は幾つかの流れに分かれ渓は無くなる。

  釣果27匹(キープ無) 最大24.0cm
     リュウホウさん  18匹 最大28.0cm