四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2020年度) 

  ダートの源流 二又を詰める


四国の渓流釣り

吉野川水系   2020/9/15  晴れ 四国の渓流釣りモバイルモバイルサイトはこちら
今年の渓流釣りも残り半月になってしまった。
コロナの自粛明けで再スタートしたのに釣行ペースがつかめないまま現在に至っている。ほぼ2週間サイクル・・・・これがなかなか微妙なサイクルで歩きはじめがシンドイし翌日に残る疲れも大きい。若いときのように体を動かせば体力が付いていくのではなく体を動かすことに慣れ体力や脚力を衰えないようにするのが老人の勤めである。
あと半月で禁漁まで何回谷通いが出来るのか・・・・少々焦りはじめている。

長いダートが続く林道、雨が降れば林道の表層が流され尖った路面が露わになるのだが比較的走りやすい・・・・3年前に見た林道奥の延長工事がまだ続いているのだろうか?


久しぶりに源流の二又を詰める計画なのでいつも入渓する場所より上流から下降した。この辺を下れば斜面が緩いだろうと思っていたが最後の谷に立つ寸前で苦労した。水量は程良く流れているが夏仕様の足回りでは水の冷たさを感じる季節になってきたのでできるだけ水の中に入らないようにする。まぁ、時間と共に気温が上がれば冷たさを感じなくなるだろう。
この辺りは渓の斜面が切り立ち遡行が難しい。
左の壁にロープが垂れ下がっているのが目に入った。「あそこを通るのか・・・・無理やわ!!」あれこれ考えてみたが引き返して高巻くしかないようなので竿を仕舞った。しかし、ここでこんな苦労した覚えはない・・・・右の岩壁を1m程登ってみたら細いテラスが続いていて通行不能に思えた小滝を簡単にクリアーできた。誰が何の目的でロープを掛けたのか?紛らわしい。
次に上の写真のヘツリ、ここは大高巻きした覚えがあったがザレ場から斜面に取り付くと横に続いている道があって岩壁の割れに導いていた。普段ならこんな危険な場所は絶対避けるが倒れた木が手掛かりとになり最短最速で滝を越えることが出来た。いま、こうやって写真を見ているが何処をどうやって通過したのか分からない。臆病で怖がりの俺だから安全は担保していた筈なんだけど。
重機の音が聞こえてきた。
上を見上げると林道工事をしているようだが3年前から全く進んでいない。いつまで同じ場所で工事しているのかと不思議に思っていたが帰りに工事現場を通して貰う時に話を聞いたら崩落した林道を補修しているのだと云う。地中の岩盤まで掘り返し基礎からやり直しの大工事だった。

工事の性なのか淵底に薄らと泥が沈んでいるような感じ・・・・こんな場所は早くパスしようと思っていたが淵ごとに釣れる。本日最大の9寸前が出たのには驚いた。
大滝の壺でチビが1尾だけ、「そんなことはないだろ」と粘ったが結果は変わらなかった。大滝を越えるには林道に出た方が安全策だが垂直に築かれたコンクリートの人工壁には歯が立たない。林道に登り降りするために付けられた階段まで引き返すのは面倒くさいのでそのまま滝横のザレ場に取り付くと岩壁の重なりが滝上まで続いていた。自然に出来た道筋の方がルートの弱点を見付けやすい。
林道工事は大滝の上で谷を跨いだ場所で止まっていた。谷を林道が跨ぐことにより大雨であふれ出た水が林道崩壊につながったと想像できる。だからね、谷を跨ぐときはヒューム管を埋めるのじゃなくて少しくらいコストが高くても橋を架けるべきなんだよ。
開けた場所から空を見上げれば秋の雲が広がっていた。
源流部は手つかずの原生林が待っていた。
増水に負けることなく渓の真ん中に巨木が立つ姿は力強く神々しい。


ここは青石の源流
横長の青石が渓の流れを止めたところにチョットした淵が出来る。青味かかった淵の真ん中に仕掛けを入れると何処からかアマゴが現れて餌を咥えるのを見ながら合わせを入れた。
青みがかった美しいアマゴ、サイズは一回り小さくなったがイメージ通りのポイントからアタリがあって針掛かりするのが楽しい。
右支流は緩いが程良い小淵が段々に続いている。淵毎とはいかないがソコソコ釣れる。渓に転がった岩が重なり合い水深がなくなった場所が魚止だったのは10数年前と同じだった。
左支流は傾斜があるので連瀑と云うには大げさだが落差のある落ち込みが連続している。落ち込み直下は水深がありアマゴの住処に適しているなか淵毎にアタリがある。アマゴのサイズは少しアップして7寸が混じるようになった。
水の流れが2分してアマゴが釣れなくなった。2つの流れを合わせればソコソコの水量になるのに勿体ない。何れ何処かで合流するのだろうと思いながら15分ほど上流を目指したが分かれた流れは変わらず納竿した。10数年前は最源流の二又までアマゴが居たような記憶・・・・魚止を確認するモチベーションが続かなかったのは情けない。
谷筋から30m上に帰り道を見つけた。
何となく薄らとした踏み跡が残るだけでしばらくの間人が歩いた形跡は残っていない。原生林の中を緩やかに下り巨木を目にすると立ち止まって足を止め写真を撮るのだからなかなか前に向いて進まない素晴らしい場所。深い原生林の森に渓の流れがあって美しいアマゴが棲み釣りが出来る幸せを感じられる自然環境を後世に繋いでいかなければならないと強く思う。

遡行データ
  20/9/15 晴れ
  遡行距離:10.4km 標高差:250m 吉野川水系
  釣果:29尾 最長寸:26.5cm キープなし


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那賀川 最終日
2020/8/31 晴れ  那賀川水系
釣果:10尾 最長寸:27.5cm 
遡行距離:11.2km 標高差:250m
那賀川最終日、あと1ヶ月しか残っていない。

渇水気味の源流釣り
2020/8/17 晴れ  那賀川水系
釣果:26尾 最長寸:23.0cm 
遡行距離:11.7km 標高差:400m
渇水気味に『頭ハネ』が加わり厳しい釣りだった。

奴が居ない真夏の源流釣り
2020/8/5 晴れ  那賀川水系
釣果:45尾 最長寸:30.5cm 
遡行距離:8.8km 標高差:250m
奴が居ない真夏の源流釣りは最高だった

巨木と苔の渓を釣る
2020/7/17 晴れ  吉野川水系 
釣果:34尾 最長寸:23.0cm 
遡行距離:7.8km 標高差:300m
巨木と苔の原生林を釣り上がった。

梅雨の短い晴れ間
2020/7/2 晴れ  吉野川水系 
釣果:12尾 最長寸:28.0cm 
遡行距離:10.5km 標高差:350m
今日は岩魚釣り


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