四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2020年度) 

  那賀川最終日


四国の渓流釣り

那賀川水系   2020/8/31  晴れ 四国の渓流釣りモバイルモバイルサイトはこちら
那賀川が最終日を向かえた。
一般的な漁期より1ヶ月も早い最終日に愚痴の一言を書いておこうかと思ったが何年か前に書いたことを思いだし止めた。釣り人の立場としては『那賀川』・『物部川』・『嶺北』・『勝浦川』・『海部川』の漁期の終わりを9月30日にしていただけることを強く要望します。

本流沿いを走りながら少し周囲が明るくなりはじめ渓の様子が伺えるようになった。
「水量が少ないなぁ」なんて思いながら車をゆっくり進めていると後ろから凄いスピードで追い上げてくる車がバックミラーから目に入った。そんなに急いでいるなら先に行って貰ってもいいが、目的の車止めまで後3・4km、峠3つとトンネル1つを越え3時間以上かけて来たからにそう易々と渓を譲るわけにはいかないので車のスピードを上げた。細い山道なので抜かれることはないだろうと思っていたが手前の支流の車止めに1台、本流の降り口に1台の先行車が止まっていた。平日ならライバルは居ないだろうと思いながら1時間も早く家を出たのにこの有様・・・・最終日の那賀川を舐めていた。
「目的の渓は大丈夫だろうか?」
取りあえず車が止まっていなかったので一安心、追い上げてきた車は更に上流の渓へと会話を交わすこともなく走り去っていった。


車止めの気温は18℃
20℃を切り秋の気配を感じられる様になってきたが林道を歩きはじめると急斜面の道でもないのに汗が噴き出してくるので標高が1000mを越えた渓でも真夏は終わっていない。やはり、この最終日は早すぎるのだ!!

西向きの支流を跨ぐと薄暗い渓に東から朝陽の帯が差し込んでいる。チョット歩き疲れたのでザックを下ろし一息入れながら移り変わりゆく光景を見ていた。
割と長めの支流だが水量の少なさが今日の釣りの難しさを暗示しているように思えた。源流に拘らないで、まだ水量があるこの支流の出合いから本流を釣り上がった方が得策であるように考えたが歩いてきた林道途中のザレ場に残っていた真新しい足跡は下りに向っていたので本流を釣り上がり林道を利用して帰ったという推察は合っていそうだなのでもっと上流から入るのが正解だろう。
まぁ、最終日を前にして土日を過ぎているのだから『良い釣り』が出来るとは端から思っちゃいないけどね。
休憩ついでに空身で支流を少しだけ探ってみた。
水量が少なく流れのない水たまり・・・・釣れる訳はないだろうと思っていたら沈み岩の中からアマゴがゆっくり出てきて喰らい付いた。
「8寸あるじゃないか・・・・」 これはちょっと希望が持てそうだ。
気分を良くして高巻く手前まで釣り上がろうと思った。
そんなに距離はない筈なんだけど高巻く場所が現れない・・・・そして見覚えがある淵
「あれ、越えちゃったよ」
水量があると岩場に取り付いて難儀する高巻きなんだけど水深が浅くなった淵をバシャバシャと難なく正面突破していたから不思議だ。
源流部のかなり手前から入渓した。
砂地に残る足跡は一人や二人のものではない。連日、釣り人が入っているなって感じで当然釣れない・・・・アマゴの泳ぐ姿が見えるし偶にアタリがあるのに全然針に乗らない。
警戒心丸出しで釣れないパターンやんか
支流に入るとポツポツリと釣れるようになった。
釣れる場所は数少ない水深があるところ、その間の浅瀬にアマゴの姿は皆無だ。水量がチョボチョボになってしまい魚止まで行くこともなく支流は納竿となった。
原生林の深い森
アマゴの魚影は薄くても数百年の年輪を刻んだ神が宿っているような巨木を見る価値はある。
ヤバい足跡
デカくて爪痕があるような・・・・親爺様かも
行きはなかった筈だからニアミスしていた可能性もある。
まだ、本流を釣り上がる予定なんだけど・・・・どうしようかな?


親爺様の足跡は本流に向ってないようなので釣りを続けることにした。
源流部も水量の少なさは否めない。アマゴが泳ぐ姿は見かけるけど餌を入れると何処かに隠れてしまう。餌に興味を示し近づいてくる奴も居るが寸前で止まりUターンする。よってアタリすらない状態、どうすればいいのかなすすべがない・・・・最近、何か辛いことでもあったのか?
源流部に入って全く釣れずトホホ状態
水量も少なくなり、これで最後と決めた小滝の陰からアタリがあって8寸
「ありがとうございます。」って感じで感謝しかない。

時間が余ったので飛ばした大滝に竿を出すことにした。
なんで大滝を飛ばしたかというと滝下まで時間を食う割にチビアマゴの実績しかないし、数多く釣り人が入っているなら大滝だけは必ず竿を出している筈だから釣れる気がしなかった。

あら不思議、1投目に7寸が釣れた。
もう1尾で『つ抜け』なのでチョット粘ってみる。

右端の落ち込みの中からアタリがあって底に潜られた。
滝淵の底でキラキラ光っているのに全然浮き上がらず竿は満月状態・・・・「尺あるやろ」と確信していたが時間を掛け浮かしてみると9寸のスレだった。
「そりゃ上がってこないわ」

最後の最後が9寸で『つ抜け』
那賀川最終日はなかなか厳しい釣りになったけど終わり良ければ全て良しでいいだろう。

遡行データ
  遡行距離:11.2km 標高差:250m 那賀川水系
  釣果:10尾 最長寸:27.5cm


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渇水気味の源流釣り
2020/8/17 晴れ  那賀川水系
釣果:26尾 最長寸:23.0cm 
遡行距離:11.7km 標高差:400m
渇水気味に『頭ハネ』が加わり厳しい釣りだった。

奴が居ない真夏の源流釣り
2020/8/5 晴れ  那賀川水系
釣果:45尾 最長寸:30.5cm 
遡行距離:8.8km 標高差:250m
奴が居ない真夏の源流釣りは最高だった

巨木と苔の渓を釣る
2020/7/17 晴れ  吉野川水系 
釣果:34尾 最長寸:23.0cm 
遡行距離:7.8km 標高差:300m
巨木と苔の原生林を釣り上がった。

梅雨の短い晴れ間
2020/7/2 晴れ  吉野川水系 
釣果:12尾 最長寸:28.0cm 
遡行距離:10.5km 標高差:350m
今日は岩魚釣り

原生林の二又を釣り上がる
2020/6/23 晴れ  吉野川水系 
釣果:33尾 最長寸:26.5cm 
遡行距離:9.9km 標高差:360m
魚止めの滝は本当に魚止だった。


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