四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2020年度) 

  渇水気味の源流釣り


四国の渓流釣り

那賀川水系   2020/8/17  晴れ 四国の渓流釣りモバイルモバイルサイトはこちら
長梅雨が終わったと思ったら猛暑続きの下界、温度差の反動が大きく暑さに慣れきっていない体にはキツくお盆を過ぎようとしているのに夏バテ気味は解消しないので涼しい山へ逃げ込んだ。

山道を走りながら道沿いにあるいつものチェックポイントの滝で 水量を確認
「チョット少ないんじゃないかい・・・・」
平地に雨が降らなくても山は雲が掛かり時折雨が降っているんじゃないかと思っていたが車道に水がしみ出している場所がないので山も長い間雨が降っていないようだ。
急斜面の細尾根から谷に下る。
湿気のない地面はカラカラに乾いていてズルズル滑るので立木伝いじゃないと転がり落ちそうな危険を感じ慎重にゆっくりと下るしかなかった。


最初の淵
「いやぁーー水量が少ないなぁ」
平水の半分以下くらいか?この辺りなら源流の中域なので釣りになるかも知れないが期待の最源流は水が無くなってしまいそうなので諦めた方がよさそうだ。
いつもならこの淵で何尾か釣ってのスタートになるがアタリすら無くアマゴの気配を感じられない・・・・減水でアマゴの警戒心が高まって居るのかも知れない。
入渓から30分、ポツリポツリと釣れるようになってきた。と言っても6寸がレギュラーサイズで偶に7寸って感じなんだけどね。
釣れるポイントは渕尻で喰ってくることが多い。
何故、外敵から攻撃されるリスクが多い渕尻に定位しているのか?水量が少ない落ち込みは流れ落ちてくる餌が少ないのだろうか?落ち込み下に見切りを付け水面に落ちてくる虫も含め広範囲に餌を待つことが出来る渕尻で陣取っているのだろうと考えてみたが真相はアマゴに聞いてくれ。
渕尻にアマゴが居れば餌が水面に落ちた瞬間に数メートル先から突進して来て餌を咥える。逆に渕尻でコチラの気配を察知されれば一目散に散って巣穴に隠れられてしまう。
渇水気味の淵でも渕尻をおろそかにしてはならない。
原生林の渓
大水が出たときに倒されまいとゴツゴツした岩面の隙間を根で埋めるようにしてへばり付いている大木の生命力に驚かされる。
幅広い谷筋は樹々の重なりが渓の真ん中で途切れ真夏の強い日差しが差し込んでくる場所がある。標高1000m越の涼感たっぷりの渓なんだけど日差しを浴びたり生暖かい風が吹いたりすることがあるので水の中を遡行することが多くなる。暑さと涼しさの相反する体感は気持ちいいのだけど水を含んだ靴中の重さと水圧を連れて歩くので足への負担が大きく遡行ペースはスローになった。
それにしても水量が少ないなぁ
直の落ち込みと斜めの落ち込みがクロスするカッコいい滝なんだけど落口まで水深が届いていないのか染みこんだ水が滝壁を伝うだけの淋しい滝に成り下がっていた。


この滝は水流が勢いよく落ちているように見えるが、いつもはもっと幅広の滝になっていて渕尻も深い。渕尻はアタリが無かったが滝の落ち込み左からイメージ通りのアタリの出方をしてアマゴが顔を見せてくれた。
どうも釣れなくなったと思っていたら真新しいミミズの箱が落ちていた。
「ハネねられた???」 揺尾根の付け根だから『頭ハネ』は間違いない
「ここから釣りますよ」って目の付く所に印を残してくれ親切でやっているつもりのか・・・・車止めに止まっている俺の車も見ただろうし他にも沢山の支流があるのだから態々釣っている上に割り込んでくるのは悪意しか感じられない。まぁ、上に車道があって『ハネられる』かも知れないという想定は頭の片隅にあったにしてもそれが現実に起こってしまえばショックは大きい。
この辺りから渓相が良くなりアマゴのサイズがUPしはじめるのにどうしたものか・・・・

揺尾根と云っても下る時にはって話で登るには結構な傾斜で標高差もかなりある。
釣れなくなるのは確定だから揺尾根に取り付いて撤退しようかと思ったのだが、まだ時間も早いし頭ハネのゴミを捨て野郎に釣行計画を左右されるのも悔しいだけなので遡行を続けた。

けど、全然釣れないわ!!
やっと、滝の奥からアタリがあって本日の最長寸・・・・8寸に届かないので一矢報えたとはならないけどメチャ嬉しい1尾だった。
頭ハネの主は最源流に向かったようなので支流から撤退した。
支流は入り口以外は思いの他水量が少なく竿を仕舞い渓沿いを歩いていると8寸オーバーが走って巣穴に潜り込んだ。もう少し水量があれば針掛かりする可能性はあるかも知れないが警戒心丸出しって感じがしてその後の幾つかの水たまりはウオッチするに留めた。
水が無くなった支流を歩けば汗が噴き出してくるだろうと思っていたが陽の傾いた樹林の中は快適に遡行することができた。

渇水気味の水量に『頭ハネ』が加わり厳しい釣りになってしまったが大樹だらけの森に薄い下草が生えた美しい場所に導かれたことがせめてもの救いだったと思う。
一雨欲しいところだ。

遡行データ
  遡行距離:11.7km 標高差:400m 那賀川水系
  釣果:26尾 最長寸:23.0cm


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奴が居ない真夏の源流釣り
2020/8/5 晴れ  那賀川水系
釣果:45尾 最長寸:30.5cm 
遡行距離:8.8km 標高差:250m
奴が居ない真夏の源流釣りは最高だった

巨木と苔の渓を釣る
2020/7/17 晴れ  吉野川水系 
釣果:34尾 最長寸:23.0cm 
遡行距離:7.8km 標高差:300m
巨木と苔の原生林を釣り上がった。

梅雨の短い晴れ間
2020/7/2 晴れ  吉野川水系 
釣果:12尾 最長寸:28.0cm 
遡行距離:10.5km 標高差:350m
今日は岩魚釣り

原生林の二又を釣り上がる
2020/6/23 晴れ  吉野川水系 
釣果:33尾 最長寸:26.5cm 
遡行距離:9.9km 標高差:360m
魚止めの滝は本当に魚止だった。

ゴーロ谷を詰める
2020/6/5 晴れ  吉野川水系 
釣果:35尾 最長寸:28.0cm 
遡行距離:5.8km 標高差:300m
入り口から源流までゴーロが終わらない渓を詰めてきた。
最後に最長寸が掛かり源流釣りらしい展開だった。


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