四国の渓流釣り 源流釣り入門

  ルート開拓 新規開拓2021まとめ


四国の渓流釣り

1年に同じ渓は釣らないのが俺の中のルール・・・・釣り荒れを気にしてと美しい渓魚を求めながら渓谷美の変化を楽しめるのが源流釣りの醍醐味なので敢えて目に映る風景の新鮮さ消し去る道理はない。

長い間この釣りをやっていると釣れる渓・好きな渓は明確になっているので毎年あるいは数年のサイクルで渓の選択をローテーションさせているが新規開拓の面白さを忘れてはならない。今年の釣行回数は26回に対して新規開拓が5回・・・・以外と頑張ったな!!

山歩きで見たアマゴ(3月6日) 
山歩きの途中、原生林の谷間の流れが目に入った。
誘われるように斜面を下り、細い水の流れに岩のエグレた部分が少し深くなった小淵にアマゴが泳いでいた。山頂まで標高差150m少々なことを考えれば淵ができる程の水量は何なのか?また、そこにアマゴが居る不思議な場所は多種多様な巨木が立つ原生林の恩恵を受けているように思えた。

家に帰り地形図を見ながら釣行計画を画策した。
源流部だけでは1日遊ぶには短すぎる。だからと言って下流から通すにはピークの反対側に回り込んだ帰り道は長くて遠い。この辺りが今更ながら新規開拓の渓になる要因かも知れない。(俺が持っている国土地理院の古い地形図にはこの帰り道が書かれていなかった。)
「帰り道は下るだけだから・・・・まっ、いいか」

二又から分かれると渓の傾斜がキツくなる。キツくなるのは判っていたが深みを持った場所が少なくてアマゴのアタリが遠ざかった。キツい傾斜を越え渓が緩くなると浅いだけの溜まりが続きアマゴの気配は全くなくなった。源流にアマゴが棲んでいると言う確信がなければ渓と交差する林道が見えたところで納竿していたに違いない。
林道を越えると渓相はずいぶん良くなる。
渓の際まで迫った原生林に渓の好感度が上がってくる。水量は少なくなったがアマゴが居そうなポイントには必ず反応が返ってくるので面白い。サイズは7寸までだが水が切れるまでアマゴが棲んでいた。
今一度地形図を確認すれば、二又の反対の渓は水量が少ないものの奥に伸びいいアマゴが棲んでいそうな予感しかしない・・・・攻略方法は既にできあがっているので来年の暖かくなる時期を待つだけだ。

小谷の源流を釣査(3月11日) 
釣りの帰り道に車道から見えた小渓の切れ込み具合がいい感じだった。
一度竿を出した渓かも知れないと釣行記録と地形図のレッドラインを見直したが記憶違いで新しい渓だった。釣りはじめは想像してたより緩い渓、深みのあるポイントが少なく魚影も少ないが7寸がポツリポツリだった。
渓沿いが植林に変わったのは残念だったが傾斜が出てきて渓相は良くなった。
いい感じの落ち込みで合わせたら淵の中を走り回りなかなか上がってこない。「大物に違いない」と思っていたら9寸の背掛かりだった。二又から更に渓相は良くなったのにアタリがない。標高1000mまで詰めたが魚影が確認できず納竿した。
本命は、水線のある本流より水量の多い支流だと思っていた。
淵の大きさも深さも規模が大きいのに全く釣れない・・・・そんなことはないだろと水が切れるまで釣り上がったが最後までアマゴの姿は見られなかった。鉱毒でも流れているのかと疑ったが一番下のエンテには取水管が通っていた。
見込み違い・・・・渓相と3月にしては天気が良かったので良しとしよう。

新規開拓の渓 (3月26日)  
電力の取水に閉ざされた渓
ここまで来れば奥の有名筋を釣らないわけにはいかないし、この渓は釣り仲間達が縄張りになっている。規模の小さい渓なので彼らの腕前なら釣り残しは少ないだろうと渓の存在を知りながらも通り過ぎるだけになっていたが、釣り仲間もなかなか釣りに行けないと嘆いているようなので渓の様子を探るには好都合だと解禁日の渓に選んだ。
平日の解禁日なのに夜打ちの車が居座っていた・・・・それ程の価値がある渓なのか?

解禁日から3週間と少々、いい具合に雨でリセットされたし解禁日は雪があったのでそう奥まで入れないだろうと再チャレンジすることにした。取水を越えると大滝が連続する傾斜のある渓、最初の滝で8寸が出たのには驚いたが林道と交差するまでは魚影は薄かった。
林道を越えると渓は緩くなりチビ助の魚影が沢山見えるようになったが仕掛けを入れると速効で散ってしまい釣り荒れた感じがする。林道を経由し傾斜の厳しい場所をパスした緩い場所から釣りはじめる選択肢もあるようで解禁から3週間、大きいのは既に抜かれた後なのかも知れない。
我慢の釣りが続くなか久々の滝、落ち込み際の倒木からメチャクチャ格好いい雄の9寸が飛び出してきた。
しばらくアタリがなくなりここが最後と決めた小滝に仕掛けを入れたら4寸を掛けた。アマゴが居るなら何処まで居るのか確かめなければ終われない。小滝を越えたら最源流らしい風景になった。少しばかりの深みがあればチビアマゴが走るので下流が釣り荒れても徐々に回復できる種沢を備えたいい渓だった。

長雨後の源流釣り (8月25日)
釣り仲間から二又の入り口には嫌らしい大滝が構えていると聞いていた。どんな滝なのかと思っていたら水量が多いせいもあるが想像してたよりデッカくて嫌らしそうだった。

大滝を高巻く
揺る尾根に取り付き滝上に回り込めそうな場所を見定めながら高さを稼いだ。たぶん「ここしかなだろう」と言う場所を横移動・・・・立木に掴まりながら滝上に下れそうな斜面を見つけたがその先に10mクラスの滝、下ったとしても立ち往生になりそうなので更に横移動・・・・結構な急斜面のザレ場、滑り落ちたら先が切り立っているので無事ではいられないので立木や根っ子が掴めるルートを慎重に進んだ。
渓の上の樹木が覆い被さった暗い渓、一人だと奥に進むのが心細くなる。
大滝を高巻いて入渓する釣り人は希なのか7寸クラスが面白いように釣れはじめた後に9寸・・・・こうなってくると心細さは消え奥へ向かう探究心で満たされる。
新規開拓は帰り道が確定していない状況では早めの切り上げが必要になる・・・・魚止に届かなかった。
帰りは渓通しで途中まで引き返し谷筋を標高差50m登り揺る尾根に出た。誤算だったのは尾根の下りが等高線を見て想像していたより急斜面で下る方向を見定めないと切り立ってどん詰まりになってしまい迂回ルートを探るのに時間が掛かった。しかし、朝の入渓ルートより安全だった。

新規開拓 撤収ルートを探る (9月23日) 
車止めから渓を見るとデッカい砂防エンテが二つ立ちはだかっていた。
右か?左か? 左には道が付いているようだがエンテとの際が切り立ちエンテを高巻くのが難しいように思えた。右を探ると薄い踏み跡に赤テープが続いているようなので突き進んだ。踏み跡がだんだん急になり立木を掴まないと登りが厳しくなってきた。「本当にこの道で合っているのか?」 その疑念は赤テープの存在が掻き消されていた。エンテの上まで辿り着くと斜面が切り立ち下る場所が見当たらない。対岸を見ると道があって崩れた土砂の斜面が緩く渓に続いていた。
ルート選択を失敗してしまったのは明白・・・・このまま進むべきかどうかなのだが目の前には岩壁があって更に大高巻きをしなければならない状況が待っていた。
引き返すことに・・・・竿も出していないのに30分のロスだった。

地形図を見てある程度予想はしていたが滝ばっかしの渓・・・・それなりに進むべきルートが明確なので滝の巻きは厄介でなかった。それより渓の規模の大きさの割に釣れないのはどういうことなのか?
釣れはじめるのは二又以遠だと思っていた。
二又の上で3連続、3尾目は待望の8寸・・・・「さぁ、これからだ!!」
後が全く続かなかった。
頭の上から水が降ってくる。
滝を越えるとまた滝、その上も大きな、・・・・「俺の手に負える渓なのか?」  弱音が出てきた。
高巻きは岩場に取り付き敢えて危険を冒すより渓から離れた樹木がある斜面に切り替えた。
帰り道は平らな斜面を辿り登山道に出る計画だ。比較的緩めの斜面に取り付き30m程登ると薄い踏み跡に出くわした。そこから少し平行に移動すると目的だった平を歩いていた。だだっ広い平は進路を見失いがちなのだが少し傾斜になっている場所を横目に見て一定の距離を保ちながら歩けば進むべき方向性がハッキリし無地登山道に出ることができた。
楽に帰れる撤収ルートは見つかったがアマゴが居ないのではねぇ・・・・まぁ、最後まで詰めた訳じゃないのでもう1回くらいはチャレンジしてみようか?


ルート開拓 連爆越の最源流 ルート開拓 連爆越の最源流 
源流釣りのルート開拓 実践編⑪

周辺の水系は厳しい渓が多いが、この渓の奥も例外に漏れない。
等高線が混み合った先に緩くなった最源流
どんな地形なのか?どんなアマゴが棲んで居るのか?
地図を見るだけで興味は尽きない。。

ルート開拓 車道ができた渓 ルート開拓 車道が出来た渓 
源流釣りのルート開拓 実践編⑩

この水系の中では長い渓 渓と車道が交差する場所から渓を覗き込むと渓の規模にしては水量が少なめ、ここから水線の中間位置に電力の取水口があり発電用の水を取り込んでいる。橋の手前から伸びる林道は2つに分かれている、一つは目の前に見える砂防エンテを作った時の工事用の道、もう一つは渓沿いに続いている・・・・

ルート開拓 源頭を稜線まで這い上がれ ルート開拓 源頭を稜線まで這い上がれ 
源流釣りのルート開拓 実践編⑨

長ーい渓
初めての遡行はキャンプ場をベースに泊まりがけで下流部と源流部に分けて釣り上がる計画だった。まずは下流部、本流の出合いから入渓次から次に姿を見せる大淵に手こずりながら、目的の核心部に到達しないまま台風誘発の大雨に追われるように逃げ帰った。

ルート開拓 水線無しの渓 ルート開拓 水線無しの渓 
源流釣りのルート開拓 実践編⑧

地形図を眺めていると水線無しの長い渓を見つけた。
この川にはいくつかの支流があって、短い渓にも水線が書かれている。もし、見つけた渓に水線を入れるとしたら、一番長い支流になると思うのだがどうしてなのか?何か、作為的な意図を感じずにはいられなかった。

ルート開拓 尾根越えの渓 ルート開拓 尾根越えの渓 
源流釣りのルート開拓 実践編⑦

初めての遡行は20mの滝に行く手を阻まれた。
隣の渓から尾根越えのルートを画策した。