竹株渓遊?
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2001/7/7−8 |
5月の半ばに、悪童さんから一通のメールが舞い込んだ。
内容は
昔から、紀州の谷を釣り歩いているが、最近になって、いろいろな渓を歩きたくなった。連休は九州の渓を釣り、今回は四国の渓を釣りたいと思うようになった。しかし、一人で溪にはいることを由としない釣り人です。何故なら、恐いから・・・・・・hpをみて四国の渓を案内していただけないか っというものだった。
五十ん才 「わがままな、おっさんやなぁ」 と思ったのが第一印象だった。ところが、文面の最後に『テンカラ歴28年』っと付け加えられていたのが、私の興味を引いた。
私は、根っからの餌釣りだ。それもキジ餌のみを使う。理由はいくらかあるが、餌を一定にすることにで、出かけた渓ごとのアマゴの反応をわかるからだ。まぁ川虫を取るのがめんどくさいってこともあるのだが‥・・・釣ることに対しては、「餌釣り」が最も有効だと思っているが、春先を過ぎて連休の辺りから、アマゴの目の前に餌を落としても、見向きもしない時期がある。羽化した水生昆虫にしか興味を持っていないような素振りだ。そんなとき、キジ餌の代わりに毛鉤を付けて水面を流すとアマゴが飛びついてきた。しかし、それとてにわか毛鉤釣り、それ以後、そんなにうまく行くはずもなく、「毛鉤釣りは性に合わない」と止めてしまったが、春先の餌に見向きもしないアマゴが毛鉤釣りが有効である認識はあった。 「テンカラ歴28年の妙技」を伝授していただければ・・・・・・・・『爆釣????』 利害関係は、ここに接点が見えてきた。
宿泊地、釣行場所、釣行計画の段取りがだいたい出来て、悪童さんに電話をしたとき。
「竹株渓遊さんって知っています。?」
「知りませんが・・・・・・」
「私は、竹株さんと知り合いでして、同じような釣り方をしているんですよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「今日、NHKのニュース10で特集がありますから、興味があったら見てください」
「はい、わかりました。」
ニュース10って全国版じゃない。奈良のローカル局の番組と間違っているんじゃない?解禁の時期でもないし・・・・・・・半信半疑でTVを見ていると10時30分から10分間くらいの特集・・・・・・釣りの特集じゃなかったけど、アマゴや渓に対する思い、自然との関わりあい方、全てが参考になった。何よりナイロンのレベルラインを自由に操ってアマゴをかけた時の笑顔が最高だった。後でインターネットで検索してみると、竹株渓遊さんはテンカラ界の10本、いや、5本の指に、入る有名人じゃないですか。そんな方と知り合いならさぞかし「凄い人」かもしれない。私一人じゃ役不足かも知れないから「四国渓師会」の掲示板でメンバーを募った。こんな時、役に立つのが「四国渓師会」きっての源流師、副会長の「淳師匠」 快く同行を承諾してくれた。
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七夕釣行 前夜祭 |
七夕釣行、前夜祭当日、淳師匠と私は、宿泊地である木屋平村 中尾山高原の「平成荘」に向かって車を進めていた。
午後4時、「平成荘」に着くと早めに到着した悪童さんが出迎えてくれた。
悪童さんは、直ぐにわかった。何故かって?
アマゴを模った朱点倶楽部のジャンバーとTシャツを着ていたからだ
「右の本格派って感じですね」っと挨拶も早々にテンカラのレクチャーが始まった。
悪童さんが「こんな感じですよ」とテンカラ竿をふって毛鉤を飛ばす狙ったところに毛鉤がスッーと舞い落ちる。
「ほぉーーーーー」
「どうです、やってみます?」
私も淳師匠もいろいろと工夫をして竿を振るのだがうまくいかない
「やっぱり、テンカラ歴28年の妙技ですね」とごまかすのが精一杯だった。
部屋に上がって夕食までの時間、夕食が始まって酒を酌み交わしながらの時間、長めの夕食が終わり部屋に戻り眠るまでの時間、テンカラの話、竹株渓遊の話、紀州の渓、四国の渓の話、アマゴの話、会の運営の仕方、それぞれの釣りへの思い・・・・・・・・話は尽きない。 世代も、釣り方も違う。ただ、悪童さんと我々二人がつながっているのはアマゴだけなのに・・・・・・同じ道楽を持つ同士が打ち解けあうのはアマゴを釣るより簡単だった。
七夕の日にオッサン3人を合わせてくれた「アマゴに乾杯」と高原の夜はふけていった。 |
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左は悪童さんが主催する朱点倶楽部のTシャツ
右は、お土産にいただいた竹株渓遊氏の本 「紀州のテンカラとふるさと」
どちらも悪童さんのデザインとか
名刺を拝見すると「グラフィックデザイナー」
憬れの職業ですなぁ
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平成荘、中尾山高原キャンプ場は
剣山の北側に位置する。
ここをベースに穴吹川、祖谷川を釣るには最高だ
何より標高1000mを越えていて
下界の熱さを忘れさせてくれる。
宿泊地「平成荘」の玄関で記念写真
左から淳師匠、悪童さん、私
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明けて8日 釣行 |
昨日の酒がまだ体中に残る中7時前に起床
「チョッと飲みすぎたかな?」
朝食が7時半から、平成荘の前で記念写真まで撮っていたものだから出発は8時を過ぎていた。
「陽が高くなった中を渓へ向かうのは調子狂うなぁ・・・・・」
「まぁまぁ、こんな釣りもあっていいじゃない」
テンカラ釣りっと云うことで、広めの明けた感じのD谷を選択していたが、目的のD谷へ向かう途中、各支流の入り口には、何処も彼処も、釣り風の車が止まっていた。
「この時間じゃ、空いてる谷はないなぁ D谷大丈夫?」
「無理かなぁ、上流に行けば秘密の沢もあるし・・・・・なんとかなるでしょ」
期待通り?D谷入り口には、車が止まっていた。
「上流へ行きますか」 と上流の車止めまで林道を登りつめた。
D谷の車止めには、釣りとも山登り見分けがつかない車が10数台止めてあった。
「アッチャ−−−−」
「時間もあまりないから、この下から釣りますか?渓相は抜群ですよ」
「OK,OK」
渓まで林道を辿って下降して釣り始める。やはり誰か先行した様子で、全くアタリがない。テンカラ28年の妙技をもってしても駄目だった。いけないのは淳師匠、いつもの釣りと違うため調子がでないのか、固着した1番2番を直していて、渓の流れに1番2番を呑み込まれてしまった。竿を交換し気を取り直して釣りを続けていると穂先が「ポッキ」 踏んだり蹴ったりで、完全に戦闘意欲を無くしてしまった様子・・・・・・・・・・・
30分くらい遡行しても、アタリが全くないので
「秘密の沢へ行きますか?」
「賛成・賛成」
秘密の沢へ到着して、淳師匠は下流へ、悪童さんは何淵かテンカラを振り込んで
「渓の風景を楽しみますから・・・・・上、釣ってください」
「ありがとうございます。じゃ釣らしてもらいます」
それまで、私はガイドに徹して、殆ど釣っていなかった。
上で、チビアマゴを何匹か掛けて帰ってくると、下に行った淳師匠も戻ってきていて
「どうだった?」
「4寸位のが遊んでくれた。そっちは?」
「俺のは10寸くらいあったよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ」
「ジッ・じっ・じっすん・・・・・・・・・尺のこと?」
「尺には、チョッと足りなかったけど 29.7cmあったよ」
差し出した、未10寸アマゴは、沢のアマゴらしく厳つい顔をしたオスアマゴでした。それと同時に、先ほどまで戦闘意欲をなくして落ち込んでいた顔には笑顔が戻っていた。
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テンカラを振り込み悪童さん
私のにわか毛鉤釣りと違い
確実にポイントに毛鉤が打ち込まれる。
しかし、先行者と立ち込める木立の中では
厳しい釣りになったようだ・・・・・
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全く釣れないので
秘密の沢へ
悪童さんから
「どうぞ、釣ってください」っと
お許しが出たので上流へ
何とか5寸くらいのアマゴが針掛かりした。
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「4寸位のが掛かったよ」っと
淳師匠に告げると
「俺のは10寸くらいあったよ」っと
「じっじっすん・・・・・・尺のこと?」
29.7cmのアマゴを差し出した。
かなり満足げ だった
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回想 |
今回、悪童さんのテンカラには、アマゴがヒットしなかった。
それは、ガイドを努めた私がいたらなかった要因が大きいと反省
今回の釣行は、「テンカラ歴28年の妙技」も身近で見ることも出来たし、テンカラ釣りとはどんな釣りなのかおぼろげながらわかったよう気がするし、何よりも有意義な交流を持つことができ楽しい釣行でした。
『悪童さん、四国釣行ご苦労様でした』 |
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本流へ戻り、テンカラをふる悪童さん
今度、四国に来たときには
必ず、べっぴんさんの天然アマゴを
お世話いたしますので期待しててください。
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釣果3匹(キープ1) 最大29.7cm(淳さん)
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