100匹谷の予感
GW中と言うことで、高速が混雑していては困ると思い、午前2時、淳師匠の家を出発 高知道に入ってから前方に車が1台、後は全く車に会わなかった。少々拍子抜けである。高速を降りて弁当の買い出しにコンビニに寄ったところで雨が降り始めた。
「今日は、二人でこの前みたいに100匹釣れるかも・・・・・」
降り始めた雨に100谷の期待が高まってきた。
4時過ぎに谷の入り口に到着、5時過ぎに釣りの準備をすまし入渓
五色谷は、V字谷でまだ薄暗い。五色谷と本流が出会う付近を少し釣ってから五色谷へ入っていった。型は小さいが本流で2匹、谷に入って、少し上にある『飛竜の滝』に続く遊歩道の上から2匹
「100匹谷は、間違いないなぁ」
なめたように遊歩道から釣っていたんじゃなんだから、川に下りて釣っていると遊歩道を親子連れが歩いていく。目と目が合ったが何にも言わずに通り過ぎていった。
「今の何?」
「釣りかなぁ?でも、釣りの格好じゃないなぁ」
「釣りだったら、我々が釣っているんだから何か言って行くんじゃない」
「『飛竜の滝』を見に行くか、山菜取りじゃないのかなぁ」
「GWだしなぁ でも、チョッと時間が早くない???」
やがて『飛竜の滝』、先ほどの親子連れの姿はなかった。
滝下に竿を出してみたが、釣れてくるのはアブラハヤばかりで、滝の主は何処へ
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五色谷入り口
切り立った山肌をV字に切り裂いて水が流れる。
3,400m上流にある『飛竜の滝』への遊歩道が
川横にある。
遊歩道の上からでもアマゴが釣れた。
魚影は濃いようだ。
ただし、アブラハヤの数も半端じゃない。 |
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飛竜の滝
遊歩道が出来るだけあって雄大な滝だ
上段のからの落ち込みが中間の岩に当って
2条に分かれて落ちる。
滝上まで斜度のきつい遊歩道が続いている。
滝上には、展望台があるが、何故か滝は見えない
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『飛竜の滝』の展望台へと続くきつい階段を利用して滝上へ、滝上から谷へ下りたところに、先ほどの親子連れの足跡を発見、どうやら釣りはしていないようだ。
「山菜取りかなぁ」
しかし、川横を通ったり横切ったりしているので、魚のアタリはシブイ・・・・ボツボツと魚が釣れて来るので遡行を続けた。滝上は、ゴルジェ帯の様相になってきた。ウェダーの限界まで水に浸かり、爪先立ちとヘツリをしながら遡行を続けると通行不能の場所に出会う。しばらく渓を戻り、登れそうな斜面を見つけ高巻きしてから落ち込みの上にでる。何度かその繰り返しでなかなかハードな遡行あった。その割には魚が出ない。・・・・・
やがて、ゴルジェ帯が終わり渓が緩くなり、これからってところから、親子連れの足跡がはっきりと現れる。淳師匠が、ポイントに向かって足踏みをしている足跡を見て
「これは、釣りをしているなぁ」
「頭ハネ、されたみたいだなぁ。どうする?」
「折角、きついゴルジェ帯を上がって来たからアタリが無くなったら止めようか」
アタリはあった。それどころか7寸クラスがたまに上がってくる。
「どういう釣りをしているのかなぁ」
「頭ハネがなかったら100匹は確実だったな ブツブツブツブツ・・・・・」
しばらく釣りを続けると、魚止めまで高度で100m、山の右斜面が大伐採されたところまの、2〜30m上流で親子連れが釣りをしていた。
「やっぱりなぁ」
「文句言ってこようか?」と私
「腹がたつだけだから、顔も見たくない。かえろ、帰ろ」
足跡があった時点からわかっていたこととはいえ、こうして目の前で釣りをしている姿をみて二人とも完全に怒っていた。
林道を見つけて、渓を降りる途中、程ほどの水量がある小支流にさしかかった。
「チョッとやってみる」
淳師匠が林道から下、私が上竿を出した。
小さな水溜りで7寸が針掛り
「いる。いる。」
その上の畳4畳ほどの深淵で大きなアタリがあり、ようやく8寸が上がってきた。 |
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アマゴ24.0cm
淵の中央部から大きなアタリがあって短仕掛けの竿を絞った。
それまで納得のいく釣果がなかったので嬉しい一尾だった。
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淳師匠
8寸が釣れた上流を探ったが
この淵より上は、浅い流れしかなかったようだ。
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支流の釣りも含めて、林道やら獣道やらわからない退路を2時間かけて帰ってきて、本流横の休憩所で遅めの昼食
「これから、どうする?」
「まだ不満だらけだから、本流のエンテ帯を釣らない」
「OK・OK」
本流を車で移動してエンテ帯の上に車を回すと釣り人が二人
「エンテ釣りました?」
「今から釣りに降りるんです。 ワハッハッハ」
意外な返事に絶句
「ワハッハッハ じゃお気を付けて」
「今日は、ついてないなぁ」
「もう少し下からエンテまで釣り上がるとするか」
本流まで降りて、私がエンテで粘り7寸を釣り上げ、エンテを高巻いて淳師匠に近づくと、竿が大きく曲がって淳師匠が耐えている。
「根掛り?」
そのうち糸が「プツーーーン」
淳師匠が川原に倒れこみ、放心状態
「どうしたの?」
「でっかいの掛けたんだけど、全然動かなかった」
「根掛りじゃないの」
「はじめは、そう思ったけど、仕掛けを引き込んで行ったがな」
「どれくらいあったの」
「40cmは、あったんかも・・・・・」っと広げた両手は『2尺』を裕にこえていた。
釣りをするには絶好のコンデションだったが、100匹谷も40cmオーバーも夢物語となってしまった。
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霧が立ち込めて
まるで墨絵のような風景
本流も、支流も水の透明度は抜群だった。
渓が健全なのだろう |
釣果13匹(キープ3匹) 最大24cm
10匹
22cm(淳師匠)
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