梅雨の晴れ間の源流釣り

渓流釣り遡行記2018
東予水系  2018/6/17 晴れ
もうすぐ夏至、日の出の時間は5時前まで早くなってきた。5時過ぎには歩きはじめられると思っていたが山には濃い霧が被さり谷間を漂っている。薄暗い植林の山道に足を踏み入れる気になれず車の中で30分待った。少し明るくなったが大して変わらない・・・・植林の中に入れば目が慣れるだろうと歩き出した。

梅雨の晴れ間は貴重
1.渇水の心配はなく渓の水量は増えアマゴの活性が高い
2.GWの釣り荒れは取り敢えずリセット
3.林道歩きの暑さは我慢できるレベル
4.うっとおしい虫も意外に少ない
5.鮎釣りがはじまり源流は静かになる

渓流釣りには最もいい季節が訪れたが問題は雨、少々の雨なら気にしないが1日中降られるのは嫌だ。どうせなら梅雨のこの時期でも、晴れた日に気持ち良く竿を振りたいと思っている。天気図の梅雨前線と低気圧の位置関係を理解すれば梅雨の晴れ間を見つけるのは意外に簡単、後は気象庁の72時間積算降水量を気にしていれば釣れそうな渓が見えてくる。

1時間弱歩きこの渓の核心部から竿を出した。
大場所が続く核心部、8寸9寸が当たり前のように釣れたのは昔のこと。今は8寸がやっとこさになってしまった・・・・(今日は7寸が最大だった)
【上の写真】
核心部最大のポイント、上の滝から続き深みのあるエグレを持っているので大物が潜んでいる。6寸止まり・・・・「うぅ~ん、どうしたことか?」
【次の写真】
最大ポイントの上にある深い釜を持った滝壺、ヌメリがある斜滝をフェルトの吸着力を頼りに靴底の滑りを気にしながら登りきる。下で大物が居るのならこの滝壺にも居るはずと無理して竿を出すがアタリすらないことが多い。今日もアタリがないのは同じだった。
周りの滝壁のヌメリに阻まれて高巻くことが出来ないから下るしかないのだがチョット厄介、 登りと下りでは靴底の体重移動が違う一つ間違えれば滑り落ちて下の壺にドボン(1度やった)側面にある滑り台から手足を突っ張りながらジンワリと滑り落ちるしかない。いつも、次回は絶対パスしようと思うのだが釣れなくても魅力的な滝なのだ。


核心部は閉鎖的、前だけ見ていると通過することは困難
側面も切り立った岩壁・・・・しかし、岩の切れ間をよく見ると上に続いているような感じ、立木や細い沢筋を10m程辿ると薄い踏み跡に出くわす。
たぶん、炭焼き時代に作られた山道、100年近く経った今でも役に立っているのは有り難い。他で見るより大きな炭焼き窯が点在している。山に分け入った先人達はタンパク源としてアマゴを上流へ上流へと放流して行ったのか?
在来種の存在を考えるなら先人達の生活を知りたいと思う。


大高巻きの前、霧が晴れ樹々の間から陽が差し込み暗い渓筋が急に明るくなった。
6月と云えど、水の中を遡行し衣服が濡れっぱなしでは体温が奪われて寒い。濡れた衣服が乾きはじめる感覚は気持ちがいい。水の中にドンドン入っていける夏の源流釣りがはじまった悦びを感じずにはいられない。


アマゴ8寸(25cm)
大高巻きをやり過ごすと8寸が連続して釣れるようになってきた。これは凄いことになると思っていたら渓横に石で組んだかまどを見つけた。石に残る煤の付き具合から最近のもののようにと思えてならない。案の定、大きくても7寸止まり釣れる釣れないのムラがある区間がしばらく続いた。


アマゴ9寸(27.5cm)
 なんとか9寸が出てくれた・・・・釣り忘れなのか?
 ある程度規模がある渓なら人が釣った後でも釣り切られることはない。
 人がやらないだろうと思われるサブポイントも攻め続けることを忘れてはならない。


暗い大滝に木漏れ日が差し込んでいる光景に出くわした。
滝上から斜めに差し込んでくる光の帯は刻々と届く位置を変え水の着地点を照らし出していた。水のシャワーと光のシャワーがクロスする幻想的な風景、絶好の素材と時合い、まだ納竿まで先は長いのに陽が傾き掛けいるのを忘れ写真を撮り続けた。
写真の本質は光と影の明暗を写し込むものだと思っている。上の写真がベストフォトだと思うが技術と仕上がり感覚が追いついていない。
俺の写真、まだまだやね。


大滝を越えると水量が減り、落ち込みの淵はこぢんまりとして浅くなる。そして、魚止め近くの大場所が現れるまで大物は出ないのがいつものパターン

アマゴ9寸(28cm)
樹木の枝が被さった小さな流れ込みなのに「ええっ~」って感じ、源流釣りとはそう云うものだが、いつものパターンがひっくり返った。大きな丸いパーマークが8つ、朱点が黒点に重なりこの渓の在来を感じさせてくれるアマゴ
それにしてもいい面構えじゃないか。



アマゴ9寸(29cm)
大滝上で9寸が出たことで魚止めの大場所で尺上の可能性が高まっていたが泣き尺止まり、それでも今年初の60尾越・・・・久しぶりに釣りまくったって感じ
梅雨の晴れ間と素晴らしい渓に感謝しないといけない。


遡行データ
釣果:
62尾 最大29.0cm キープなし 遡行距離10.5km 標高差510m

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