源頭を詰め稜線に立つ

渓流釣り遡行記2017

アプローチの林道が荒れていると聞いていたのでスペアータイヤを積んで出発した。ハスラーは軽SUVを謳いながらスペアータイヤを積んでいない・・・・ムチャクチャ不満や!!
去年、登山の帰り道でパンクした、深い山奥での出来事で電話も届かず酷い目に遭った。ダートの尖った石で引き裂かれたタイヤに応急セットは役に立たない。車内スペース、燃費、コストで決まった仕様かも知れないが肝心なことを忘れている。
所詮街乗り、4WD機能は充実しているが積極的にダートを走る車じゃない。

6km・標高差500m、3時間の歩きは覚悟していた。
何処まで走れるのか? 歩きは往復ビンタで利いてくるからできるだけ車で走る距離を稼ぎたい。取り敢えず4km、2時間の歩きは回避した。しかし、これ以上の前進はガレの堆積と林道の崩落でムリみたい。
それでも、1時間の林道歩きと30分の下降、夏場の林道歩きは汗が噴き出してくるから辛い。核心部はパスした、岩場の嫌らしい大場所が続き一人で釣り上がるのは荷が重いとの判断だった。本流を見て予想はしていたけど渓を流れる水量が少ない、普段の半分くらいだろうか。
こんなことなら核心部の大場所を飛ばしたのが勿体無いと後悔しても遅かった。



アマゴの型は7寸がアベレージサイズ、偶に6寸と8寸・・・・釣りとしては面白い。
この渓のアマゴはパーマークと魚体の中心がぼやけた感じだ。背中と腹部の黒点が少なく、朱点も少なめ、朱点が無いヤツもいる。

魚影は濃く餌を入れると数尾のアマゴが寄って来て競争で喰わえようとするが掛かりが浅い。一度掛け損なうと散ってしまい二度と怪しい餌には近付かない。水量が多ければこんなことはないと思うのだが・・・・

水量が少ないと流れが広がっ緩い瀬のような場所では、からっきし釣りにならない。落ち込みと深みがあれば普段の源流と変わらない釣りができる。


突きだした細尾根に沿って渓が回り込んでいる場所までやってきた。
こんな場所は複雑な地形をしていることが多く遡行が難しい。写真の滝上に2段20mの滝、次に8m滝、20mの滝は巻き道があるからいいにしても8mの滝は簡単そうに見えてややこしい。左にロープが垂れ下がっていると聞いていたがロープに手が届かず右巻きに変更、またしても急斜面の下降を立木頼りの際どい高巻きになってしまった。
初めて来た時は30分以上の大高巻きになったことを覚えている。



いつもなら水溜まりでしかない場所
ピークで纏まった雨が降っているのだろう、落ち込みに流れができアマゴの活性が上がった。しかし、こんな場所に8寸が居たとは・・・・竿を出してみないと分からないものだ。
源頭に近い場所、水量が減りもうこれ以上はダメやろと竿を終った。
渕尻からチビアマゴが走り落ち込みの奥に隠れた。水深があれば正面の岩下は奥が深く、二つの落ち込みから餌が自動的に回ってくる一級ポイント、俺が考える魚止めは既に越えている・・・・一体何処までアマゴが棲んでいるのだろうか?


稜線のコルを目指す 

稜線に出る

渓の源頭を詰める。
目的の小谷は流れが消えて、水溜まりもなくなった。尾根のコル、渓との距離が一番近い斜面を這い上がって稜線に出た。稜線からピークを経て尾根筋の登山道を辿り林道まで下る計画、最終撤退道まで戻り林道終点に出た方が距離は短いし撤退時間も早い。
態々遠回りをすることもないんだけど・・・・
どんな渓なのかを知るには稜線やピークに立ち源流を眺めるのが一番いい。釣るだけじゃ分からないものが見えてくる。山歩きをするようになり分かったことだ。

何故、源頭付近までアマゴが棲んでいるのか?
その回答は稜線から見た源流にあった。豊かな植生、広葉樹と巨木の針葉樹が混生した自然林・・・・根と枝の張り方が違う。雨が降り蓄えられた水分が地中から浸みだし渓筋で集められ渇水時期でも最低限の水がある。豊かな森があるから素晴らしい源流ができ個性豊かなアマゴが棲んでいる。この源流を種沢にするなら下流にアマゴが絶えることもないだろうと思う。
夏の稜線歩きは暑さで体力が奪われる。
雨は止んだが笹が湿っていた。笹を掻き分けながら進むと適度にクールダウンされて快適な稜線歩きだった。



釣果:48尾 最大24.5cm キープ0 
遡行距離12.4km 標高差550m


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