アプローチに苦労する

渓流釣り遡行記2015
仁淀川水系 2015/6/4 晴れ
今年、この渓の名前を聞いたのはIさんからの電話だった。
昔から釣りに行きたいリストに入っていた懐かしい渓、渓の名前に「蛇」とか「足」「宗教的」な名前が付く渓にはあまり行ききたくないが『言葉の響きが良く如何にも釣れそうな予感がする』名前に惹きつけられていた。しかし、今まで行ったことがない理由は地理的な要因の他に山側の等高線が込み入りムチャクチャ厳しそうな渓かもという思いがあったのかも知れない。
作戦を考える。
左支流はやっぱり厳しそうなので一人では無理・・・・右支流も入り口周辺は厳しそうだが途中の滝を越えれば渓は緩くなる。幸いなことに渓沿いに林道が通り滝を越えれば渓に近づく、渓に入るまで標高差350m1時間半の見積もりを立てる。エスケープは水線切れ付近で車道に出合う。そこから車止めまで10km少々2時間半くらいだろうか?水線切れより上もまだまだ渓が続いている陽が長くなったこの時期なら魚止めの確認もできるかも知れない。
作戦はこんなところだろうか。
林道の入り口脇に車止めがあった。
車止めから山を見上げる。地図から想像したとおり斜面は垂直、剥き出しになった岩肌が渓の厳しさを物語っている。ただ林道の存在が「なんとかなるだろう」と『怖さ』を打ち消した。
林道はあまり使われていないようだ。低木が生えて薄くなりながらもハッキリとした踏み跡が現れる。途中、林道に針金を張って通せんぼしていた。普通に考えれば土砂崩れか何かで通行止めになっているはず、「通行不能の場所が現れれば引き返せばいいや」と前進する。
通行不能の場所が現れた。傾斜がキツく下は渓までスパッと切れている。疎らな立木を頼りに前進しようと思えば前進出来るがこんな場所はゼッタイに嫌だ。薄い踏み跡が尾根筋に続いているので導かれる。30m程登ると横林道が現れるが渓に続いていた。釣りはじめても良かったが、このゴルジェの渓で地図上の滝に出合えば早い時期に通行不能になるのは確実なのでまた尾根を登る。
また横林道に出合う。前進すると滝から派生した壁にぶち当たる・・・・壁沿いの急斜面を登っては横林道に出合い壁にぶち当たることをを何度か繰り返す。歩きはじめて3時間半・・・・さすがに疲れてバテバテだ。GPSで確認すると等高線が混み合った真ん中にいる。ただ林道との位置関係はそれ程ズレてていないからどうなっているのか訳が分からない。
上を見上げると植林が見えた。兎に角植林の中に入り、最悪300m上にある車道まで抜けることを考えはじめる。植林の中に入ると植林が横に続いているから岩壁を高巻いたのか??? そして、またしても横林道。少し歩いてGPSを確認してみるとGPSの軌跡が林道に合っている。もしかして辿って来たルートは正解だったかも知れない。(嘘ヤロ!!)

歩きはじめて4時間、漸く渓に立つことが出来た。ムチャクチャ腹ぺこで早めの昼飯にする。
釣り初めの渓相は緩やか、厳しいアプローチルート、もしかしたら凄いことになるかも知れないと思っていたがアマゴは6寸クラスが散発的、そして倍の数以上にモツゴが釣れる。・・・・ちょっと前まで敗走すること真剣に考えていたので贅沢は言ってられない。

ゴルジェの水深がある横長淵、ガツンっとアタリがあって9寸(27.5cm)が掛かる。
7mの竿では滝の落ち込みに届かない。落ち込みに仕掛けを入れることが出来れば、もっと大物がいるかも

型のアベレージは7寸
6月に入って餌に怯えて逃げるようなことはなくなった。餌に興味を持って寄って来たアマゴはアタックしてくるから楽しい。

渓は緩いが岩盤の渓
突然ゴルジェに現れて高巻きすることになる。たかが5m、10mの高巻きなのだが序盤に疲れた足にとっては結構苦しい。


終盤、アマゴが出なくなった。
上の車道が近くなるから釣りに入る釣り人が多いのかも知れない。渓が狭まって傾斜が出てくると深い淵が現れるようになった。こんな場所だと攻め切られていないのかボチボチとアマゴが出るようになってきた。

上の写真の滝で納竿して車道に出る。
地図を見る限り、まだ渓は長く魚止めは遠いと思われる。次の機会があれば魚止めの確認をしてみよう。ここから車止めまで2時間半はちょっとシンドイ
上に車を置いて入渓するのが正解なんだろうね。アクセスルートに苦労して達成感が残る渓でした。新規開拓は、予期せぬ展開を経験と勘で切り開いて行くドキドキ感がたまりません。
釣果:22尾 最大27cm キープ3尾 遡行距離20.4km 標高差530m

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