地図の読み方 実践編

源流釣り 地図を読む

源流釣りをするような場所は地図情報が少なく等高線と水線だけのものが多い。そして、源流を上流に詰めれば水線も消え等高線だけになってしまうこともある。等高線しかない地形図をどう読むのか? 普段地形図を見てない人は難解でしかない。
地形は凸(尾根筋)と凹(谷筋)でできている、それを表現しているのが等高線、尾根筋と谷筋を分離すれば理解しやすくなり、等高線の混み具合で地形の傾斜をイメージできる。傾斜をイメージできれば、地形の形状を想像できるようになる。地形の形状を想像できれば、遡行ルートや水の流れが明確になるって具合だ。

 と、言葉で書いても何のことやら・・・・
 実際の地図を見ながら渓の状況を読んでみるのが一番早いですよね。


1.谷と尾根の分離
赤い点線⇒尾根 青い点線・水線⇒谷
凹みのような谷は釣り目的なら無視できる。

2 .入渓ルート
先ず、アプローチには車道が通っている。(右上)
車道と渓筋の等高線の間隔が狭いので下れないと判断をするかも知れないが間に針葉樹マーク(植林)があるので林業作業道があると思っていい。また、この渓が渓流釣りを対象とするなら二又に向かい何らかの道が付いている筈だ。大抵の場合渓側に飛び出たヘヤピンに車を止めるスペースがあるなら渓に下る道が付いている。下る斜面が急だとしても葛籠折れになっていれば転げ落ちる心配はない

本流沿いの点線道を釣り上がりながら利用する手も考えられるが車道の存在がある限り『頭ハネ』される可能性は拭いきれないので車道から直接二又に入るのが正解だ。また、自身が『頭ハネ』の当事者になる可能性があるので点線道の入り口に釣り人の車がないのか確認した方が無難である。車で走れば5分も掛からないと思う。
次に、二又を左右どちらの渓を釣るかの選択
左⇒車道沿いの渓 右⇒車道からは離れる。好みによって分かれる思うが今回は右の渓を釣り上がることにする。

3.渓相
水線上の等高線を見る限り緩やかな渓だと想像できる。植生は北が針葉樹、南と源流が広葉樹なので釣り上がって行けば原生林に変わり雰囲気が良くなる。
支流の流れ込みは概ね3つ、小谷①と小谷②は水量が少なく釣りにならないように思える。雨後に水量が多いなら竿を出しても良い期待は薄い。 三又になっている支流は個々の雨水を受ける流域面積が狭いけどある程度の水量は流れていると思われる。実際、出合は7m程の壁滝になっているので「登るのが面倒くさいなぁ」と思ったが地図を見れば釣らない訳にはいかなくなった。

通常、魚止めは水線が切れるピンクで囲った辺りだと思われるが更に上流に崩落マークがあり標高差150mに渡り急斜面が崩れている。地図に書かれるような崩落は規模が大きく下流への影響がある。実際は大岩のゴーロで埋まっていた。水線付近が大きくカーブしているので大部分のゴーロはそこで止まっているとおもわれるが多少の大岩が水線内に流れ込んでいることを想定しておく。

4.目印
この渓で確実に現在位置確認ができるのは「三叉支流の出合」と「小谷①」・「小谷②」、「小谷①」はまだ現在位置を確認する段階にない、水量を確認するだけでいいだろう。「小谷②」は両岸の等高線間隔が正反対で地形が特徴的なので直ぐにわかると思う。

5.遡行
水線近くまで釣り上がり尾根道(太赤点線)を帰ってくる。
尾根に這い上がる斜面が急なので(登れない)尾根が近付く水線付近なら楽に登れると思う。上流まで釣り上がったなら渓通しで帰るより水線まで遡行して尾根道を下る方が安全で早い。遡行の順番としたは本筋⇒尾根道⇒三叉の支流でいいだろう。 

時間が余れば左支流も可能、車道が近いので撤退は何処からでも可能だ。

6.その他
1/25000の地形図には等高線に標高が書いてある(黒い点線で囲った数値1150m)
太い等高線が標高50m間隔・細い等高線が10m間隔、欲しい場所の標高を等高線をそこから辿り求める。
入渓の二又⇒標高950m 水線切れ⇒標高1250m


地形図は平面で見るようになっているが傾斜を知るにはカシミール3Dの見切りを使う。遡行ルートをマウスでトレースするだけで遡行断面図を見ることができる。
これを見ると
二又から魚止めまでの標高差⇒350m 遡行距離⇒2.2km 、平均斜度⇒9°10°以下なので比較的緩やかで特に難所はない。
全体の遡行距離⇒5.5km 体力に余裕があれば二又の左支流も釣れる。
登山道をトレースすることにより登山でも使える。予め遡行ルートの勾配を知ることは安全遡行に繋がる。

遡行ルートをGoogle Earthに展開すれば渓全体のイメージが更に明確になる。Google Earthの追加情報として「小谷②」は水量があるかも知れない。


実際の渓の様子を写真で確認
地図を見たイメージと合っているだろうか?
序盤は良淵が連続する。
『小谷②』付近 水量は減るが源流的な雰囲気になる。
水線切れ手前でゴーロになり水量が消える・・・・上流の崩落の影響だろう。竿を仕舞い水線切れの尾根道に這い上がれる場所まで歩く。
尾根道は踏み跡があり歩き安い・・・・林業作業に使われているみたい。
三叉の支流 水量は少ないが十分釣りができるレベル
9寸前のアマゴ・・・・穴場だった。


 

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