三嶺 樹氷
四国の渓流釣り

四国の山歩き

2016/12/10 晴れ

Google Earthによる遡行図
名頃登山口(7:15)-平尾谷登山口(7:50)-尾根分岐(9:10)-三嶺ヒュッテ(10:15)-
三嶺山頂(10:40~11:20)-尾根分岐(12:10)-名頃登山口(13:30)

四国百名山 三嶺

三嶺山頂
 浅い山歩きの経験で語るのも何だが、今まで登った山の中で三嶺が一番好きだ。
 広葉樹の原生林、モミの針葉樹林、コメツツジが鏤められた笹原、植生は豊で多様性がある。規模の大きな岩が点在して、そう山頂には池だってある。西は西熊山・天狗塚・牛の背に続く緩やかな笹の稜線、南は剣山に続く稜線、北に祖谷山系、東に塔丸・剣山・次郎笈、眺望は抜群です。そして、こんなところを登れるのか思うほどの笹の急斜面を斜めに空を見ながら登って行くがいい・・・・大好きだ。
 一年に一度はルートを変え、季節を変え歩きたい思っている。

 12月、今年は寒くなるのかと思っていたがまだ暖かい、雪に覆われる前に樹氷に間に合うかも知れないと思いながら三嶺に登ることにした。 

名頃登山口の駐車場から林道を歩きはじめた。
正面に見える三嶺北斜面はガスが掛かっていた。
山頂付近は風が強いのか、どんどんガスが流れて白くなった山頂が姿を現した。
積雪がどの程度あるのか?ここからでは分からないが目的の樹氷ができているのは間違いない。

駐車場から気になっていたのは葉が落ちた広葉樹の上に出来た球状の物体
鳥の巣なのかと思っていたが大きすぎるし緑の葉を付けている。
後で調べてみるとヤドリキという寄生樹
取り付いた木から養分を拝借するが自ら光合成するので取り付かれた木のダメージは少ないらしい
平尾谷川(左の写真)
直ぐ横に林道と砂防エンテが続く渓なので積極的に釣ったことはない。
アマゴはいるが上流で崩れた尾根を大規模にコンクリートで固める工事をしていたので
しばらくはダメだろう・・・・

平尾谷登山口(右の写真)
台風の影響で通行止めになっていた。
登山ルートをチェックしたのはカシミールの古い地図だったので気付かなかったが
名頃駐車場から尾根を辿る新ルートが出来ているらしい。
林道から尾根を回り込めば新ルートに交差するがピークの.1517まで倍以上の距離を歩くことになる。
もともとの登山道があった場所だし、それなりの道が付いているだろうと判断した。
山登りは登山道を歩くのが常識だが、源流釣りは道がないことに慣れている。
道が途切れても尾根の登山道に復帰できると安易に考えた。
最初は急斜面が続くが快適な登山道
危険とされるのは谷筋が崩れた場所だろうか?
迂回路があり赤テープの案内も明確なので危険な場所はなかった。
 
原生林の森を歩く
ブナやツガなどの大樹が乱立するいい森だ。

 尾根の登山道と交差してダケモミの樹林帯が続く
ダケモミの樹林帯を抜けると低木の樹林帯と笹がが現れる。
南斜面には樹氷が付いていないようだ。
樹林帯の中で、強い風が吹き細かい霰に襲われて山頂に届くのかと心配していたが
風が収まり晴れ間が見えだした。
笹の急斜面、点在する大岩の壁と低木の樹林帯を真横に
空を見上げながら登って行く三嶺らしい風景だ。
三嶺ヒュッテと池までやって来た。
山頂には期待通りの樹氷が待っていました。
それでは、三嶺の樹氷をどうぞ


 
 
三嶺山頂(1893m)
 
 
祖谷山系方面
 
雲の中に隠れていた天狗塚が姿を現した。
太郞・次郎はガスの中
名頃登山口まで戻って見た剣山は樹氷と云うよりも雪山でした。

10頭くらいの鹿が笹の斜面を駆け下っていきました。
山頂で出合った登山者は保護ネットや鹿狩りの効果が現れつつあると話されていました。
実際のところはどうなんでしょうか?
剣山系の稜線を歩いてみると鹿の食害は深刻です。
太古から続いて来た自然が失われていくばかりか、麓では大災害の危険も危惧されています。
しかし、鹿ばかりに全てを押しつけるのはどうなんでしょう。
全ては、人が招いた温暖化で鹿の活動時期が長くなり大繁殖に繫がった・・・・
命をもって償わされている鹿には、大変申し訳ないですが
今の取り組みが上手くいって、斜面を掛ける鹿の姿を見て素直に喜べる時がくればいいなぁ。

予定では、高ノ瀬まで縦走して奥かずら橋に下る予定でしたが
樹氷撮影に時間を取られたのと稜線の天気がハッキリしないので来たルートを下ります。
それでもショボ過ぎない大袈裟過ぎない大満足の樹氷、これまで以上に大好きになった三嶺でした。

遡行距離:11.7km  標高差:980m
    名頃登山口(910m)-平尾谷登山口(1110m)-尾根分岐(1500m)-三嶺(1893m)-名頃登山口