四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2017年度)
    
 禁漁間近 原生林の源流を辿る

四国の渓流釣り

吉野川水系

2017/9/22 曇り/雨 

 最終集落に人が住まなくなって何年経つのだろうかと思いながら集落に続く道を曲がった。
 穴ぼこだらけの舗装路、放置された落石や倒木、垂れ下がった樹木の枝、谷筋から流れ出した土砂
 台風の後とは言え荒れ放題の道、車止めまで辿り着けず20分ほど車道を歩かされた。
 もう何年かすれば車は通れなくなるかも知れない・・・・
 尾根の突端から下降開始
 ユル尾根の途中からユル谷に回り込むのがベストなルートだったような記憶がある。
 ふと横を見ると薄い踏み跡が目に入ったので地形図を確認した。
 谷筋を跨いで上手く平行移動できれば急斜面の林道を高巻きしなくてもすむと思い踏跡に取付いた
 谷筋をやり過ごすとエグれた小谷に出合った。
 無理矢理突破してもいいが続きの踏み跡があるような? ないような?
 小谷の法面がチョット急だったので細尾根を下り取水に続く林道と出合った。
 後で遡行ログを確認すると究極のショートカットになっていたようだ・・・もう少しだったのに

 取水までやってくると伐採の重機が2台、反対の尾根から重機が通れる幅の道が伸びていた。
 原生林の閉鎖源流も入りやすい渓になってしまうのか?

 取水から上を釣り上がる。
 水量は申し分ないけど少し濁りが入っている。
 3寸程のチビ助がミミズの先だけ咥えて水面まで上げるとポチャリと落ちる。
 大きいのは反応なし・・・・仕事の人が空いた時間に釣っているのだろうか?
 これほどの水量で笹濁りが入って釣れないのなら打つ手無し・・・・先を急ごう
 釣れないから早々に連爆までやって来た。
 連爆は南斜面が崩落している、雨が降ると濁りが入るのはこのせいだ。
 はじまりは上部の急な谷筋に植えられた植林が崩れて下の斜面を押し流し今も拡大を続けている。
 連爆下は、流木や崩れた岩が積み重なり悲惨な状態になってしまった。

 はじめて入渓した頃は、連爆を高巻くには左や右の斜面に取り付きを強いられ厄介だった。
 今は谷筋が土砂に埋まり、坂道を歩くように直登できるようになった。
 高巻きは楽になったが複雑な気分だ。

 崩落現場をやり過ごした連爆途中で、漸く真面なサイズが針掛かりした。

 連爆を越えると渓は緩く、濁りが消え透明な流れになった。
 ここから原生林の明るい渓がはじまる。
 ただV字谷の地形、斜面のガレが入り深みを持った場所が年々少なくなってきた。
 昔は、こんなこと無かったのに・・・・昨今、雨の降り方が尋常じゃないことを示す指標かもね。

 連爆を越えた頃から雨が降りはじめた。
 大した雨ではないが9月も半ばを過ぎた標高1000m越え、寒さに耐えかねて合羽を羽織った。
 夕方から雨の予報だったので覚悟はしていたが秋の山は天気が変わりやすい。
 原生林の美しい渓、どうせ釣るなら晴れた方がいいに決まっている。
 魚止めが近くなって8寸クラスが餌の周り寄って来るようになったが喰いつかない。
 よく観察してみると
 餌を追わえようとする雌に雄がチョッカイを出して邪魔しているようだ。
 釣れるのは卵を抱えた雌ばかり・・・・どうしたもんだろう。
 標高の高い谷では、既にペアリングがはじまっている。
 渓流シーズンの禁漁が間近になってきたことを改めて感じた。

 魚止めの滝越え、緩くなった斜面を這い上がり長い稜線を車止めまで下る。
 幅広で何度か分かれる支尾根、道が付いていても稜線の頂点をトレースした方がいい
 それにしても、歩くことが楽しくなる素晴らしい源流と原生林の森だった。
 
釣果:22
尾 最大23.0cm キープ0 遡行距離11.6km 標高差660m
 


 渓流釣り遡行記(2017) バックナンバー

源流域が岩魚渓に変わった
9月14日  東予水系
釣果44尾 最大27.0cm(岩魚) 遡行距離11.1km 標高差350m
源流域が岩魚渓に・・・・人の手が大きく関わっている

釣れない釣り
8月30日  吉野川水系
釣果2尾 最大15.0cm 遡行距離9.9km 標高差290m
全然釣れなかったけど・・・・まぁ、そんな日もある。

真夏の源流釣り
8月18日  那賀川水系
釣果68尾 最大26.0cm 遡行距離15.8km 標高差480m
真夏の源流釣りは平地の蒸し暑さを忘れさせてくれる。

台風後の源流釣り
8月10日  那賀川水系
釣果40尾 最大26.0cm 遡行距離14.4km 標高差270m
台風5号の後、2日空けての源流釣りでした。

夏の渓流釣り 新規開拓 新規開拓
8月2日  那賀川水系
釣果23尾 最大28.0cm 遡行距離7.3km 標高差300m
今年初めての新規開拓、チョット嫌らしい渓だったけどいい渓でした。

源頭を詰め稜線に立つ
7月23日  那賀川水系
釣果48尾 最大24.5cm 遡行距離12.4km 標高差550m
渓の源頭を詰めて稜線に立った。
稜線から見た源流は渓を理解するのに役に立つ

ユル渓の二又
7月19日  吉野川水系
釣果39尾 最大29.0cm 遡行距離8.8km 標高差300m
チビ助に遊ばれたユル渓、源流を詰めて9寸
源流釣りとはそんなものです。