四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2001年度)
    沢登りのような釣り  銅山川H谷 

四国の渓流釣り

沢登のような釣り  2001/7/28 
 四国渓師会に、半月ほど前入会されたリュウホウさんと知り合いのアザラシ2号さんに、無理をいって釣行に同行させてもらう事にした。
 同行させてもらうお礼も兼ねて、前日に電話した。
 「何処に入るんですか?」
 「H谷に行こうかと思っているんですが・・・・・・」
 「H谷ですか。まだ、行った事がないので、明日楽しみにしています。」
 H谷?・・・・・地図を取り出して確認してみると
 「あっあの谷だ」 この水系の中で一番等高線がきつっくて、長年敬遠してきた谷だった。1000m付近にある滝下は、半端じゃない等高線の混みようだ・・・・・
 「嫌だなぁ・・・・・まぁ3人なら何とかなるかもしれないかな」

 翌朝、待ち合わせ場所の善通寺インター入り口で、軽るめの挨拶を交わし私の車で釣行先に向かった。遅めの到着ではあったが谷は空いていた。
 車止めから山の斜面を見上げると、切り立った山の間から水が流れていた。
 「あれがK滝です。あそこまで釣りあがって、滝上を釣ります。」
 「アッハハハハ そうですか」  ちょっと不安になってきた。
 準備を整え7時前に出発、3人で釣り上がると言うことで、車止め正面に見えるエンテを100m程越した場所から入渓、平地では梅雨明け以降全く雨が降っていない。水量は大丈夫だろうかと思っていたが山の上はでは、雨が時どき降っているらしく水量は平水以上ある。心配していたアブも全くいなかった。快適な沢釣りが出来そうである。
 「後は体力次第か・・・・・・」

H谷、大岩が重なり合って腕力を要する。
斜度がありかなり遡行に苦労する。しかし、この辺りは、まだまだ、序の口だった。
落ち込みの下を狙う、アザラシ2号さん、手前がリュウホウさん

 リュウホウさんもアザラシ2号さんも、靴底にフェルトを貼った長靴スタイル、仕掛けも、長竿に1.5m〜2mの提灯釣り、完全に源流スタイルだ。

 H谷は、だんだんに斜度を上げていく。短い距離の平らな場所の落ち込みを釣り、5m〜15mの岩壁を這い上がるか、高巻きをして、また、短い距離の平らな部分を釣るって感じだ。大岩が重なっているので遡行に腕力を必要とする。

 「あっ、痛・・・・・」
 アザラシ2号さんが、岩に載ろうとして足を滑らせて、向こう脛の横を痛打したみたいだ
 「大丈夫ですか?」
 「なんとか、少し休んでからついていきます。先に行っててください」
 その上の淵を釣って下を見ると、アザラシ2号さんがまだうずくまっている
 「大丈夫か?ここまで上がってこい」っとリュウホウさん
 何とか我々のいる場所まで上がってきて
 「チョッと腫れてきたから無理しない方がいいと思うのでここで待っています」
 「待っているって、帰りここ通るかどうかわからんからなぁ、忘れても困るしハッハハ・・・」
 「ええーーじゃぼちぼち車まで帰えって寝て待ってます。」
 「でも、今来た道帰るのも危ないしなぁ」
 「右斜面が少し緩くなっているから、チョッと林道探してきます。」っと私
 右斜面を10m程上がると、細い林道を発見
 「林道ありましたよ」
 「じゃ林道ゆっくり帰って寝てますよ」
 「車のクーラーにビールが入ってますから、よかったらどうぞ」
 アクシデントがあったがリュウホウさんと私は釣りを続けた。
 「ちょっと冷たかったかなぁ」
 「いいの、いいの、あいつ根性あるから、自分でなんとかなると思うよ」
 その後、無線が入り、「無事、車まで帰りましたから・・・・・」

 厳しい遡行を繰り返しながら11時過ぎにK滝下に到着
 「めんどくさいからK滝飛ばしますか」
 「折角、ここまで苦労してから来たんですから・・・・・・ちょっとやってみますよ」
 10mほど、K滝まで降りて、淵を覗き込むと、いるいる
 7寸と、9寸近いのが淵に浮いていた。
 気づかれないように、長竿で餌を送り込むと直ぐにアタリ
 「しまった!小さい方が先に来てしまった。もうダメかな・・・・・・」
 諦めながら、滝の流心から深い部分に餌を送り込むと目印がスーッと沈んだ。タイミングを取って合わせると浮いてこない。久しぶりの強い引きだ。淵の中を走り回る。少し弱って取り込みたいが淵の上の岩から釣っているのでなかなか難しい。後でカメラを構えているリュウホウさんに「すみません網ですくってください」リュウホウさんに滝下まで降りていただいてアマゴをすくってもらった。9寸には少し足りなかったけど、夏のアマゴ引きの強さを味わうことが出来た。 



K滝はあまり大きな釜ではなかった

高度1000m位にあるK滝
25m〜30mの落差があり壮大だ
そっと淵を覗き込むと7寸と9寸が浮いていた。
はじめに、7寸が釣れ
「大きい方は、もうダメかな」と思いながら
白泡の切れた辺りから深い部分に(写真中央)餌を沈めると
再び大きなあたりがあり9寸前のアマゴが針掛りした
引きが強く、楽しませてもらった。

滝上へ

 滝上に到着して、12時を過ぎたので昼食にする。
 リュウホウさん、飲むは、食べるは・・・・・・・
 「山に来て太って帰るのは俺ぐらいかなぁ」っと旨そうにビールを飲む
 「ビール何本もってきたんですか?」
 「今日は5本かな、こうして氷にくるんでくると1日は持つから、どう1本」
 「前にえらい目にあってっますから遠慮しときます。」・・・・・旨そうだなぁ・・・・・・

 滝下の斜度の厳しさが嘘のように、滝上は傾斜が緩くなる。ただ緩いだけでなく適度な落ち込みがあり楽しくなってくる。
 「痛ーーーーーいたたたた」
 岩を登ろうとしてエグレに足を掛けた途端、フクロハギがつった
 「会長、大丈夫ですか 本日二人目の犠牲者?」
 「チョッと足つっただけですから、先に行っててください」
 滝下までの厳しい遡行で足に負担がかかったようだ。フクロハギを伸ばしたり縮めたりしたが、一向に回復しない。靴とスパッツを脱ぎ、ズボンの裾を上げて冷たい岩肌にフクロハギを押し付けると、筋肉の硬直がなくなり楽になった。何回か屈伸をしても何ともない
 「これなら、釣りを続けられそうだ・・・・」

 滝上の渓相は素晴らしく、小さな滝をシャワークライミングしたり、そのまま淵に飛び込んだりして夏の渓流を満喫することができた。魚も淵ごとではないけれど7寸8寸クラスが遊んでくれた。

滝上から流れが緩くなる
必死の思いできつい斜度を這い上がってきたのが嘘のようだ

アマゴ8寸、天然化した綺麗なアマゴだ。
魚止めの滝の前の淵で・・・・・
滝上は、このクラスのアマゴが遊んでくれた。

滝上にもアマゴはいると思うが、魚止めの滝、
アザラシ2号さんが首を長くして車で待っているし
今日はここで納竿とした
右の写真の中央がリュウホウさん

帰り道

 K滝の上まで、はっきりとした林道があった。
 これなら楽勝かなっと思っていると
 「ここ下りますよ」
 「えっーー林道行かないんですか?」
 「この林道は、次の谷まで続いていて2、3時間かかるから・・・・・」
 笹に覆われた、きつい斜面を転がるように谷底まで降りて反対の斜面を先程の細い林道に出合い車止めまで下っていった。H谷は高度差500m、久々の達成感が残る谷だった。

 車に帰ると、アザラシ2号さんがいない。リュウホウさんが辺りをしばらく探したがいない。
 「ほったらかしにしたから、怒って一人で帰ったのかなぁ」っと思っていると
 目の前のエンテで深い眠りに入っていた。足には、あざが出来て痛々しそうだったが、待っている間エンテ上を少し釣っていたそうだ。
 「心配して損したなぁ」とリュウホウさん
 「心配なんかしたんですか?」
 「チョッとだけね。  ハッハハハハ」


釣果25匹(キープ5) 最大26.7cm