四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2001年度)
    近くて遠い谷  財田川K谷 

四国の渓流釣り

 2001/2/24 

拾い物
 K谷は、近くの谷で行こうと思えば、いつでも行くことができる。しかし、10年近く行っていなかった。行くことができなかったという方が正しい。それには、幾つかの理由があった。
 1.流程が短い
 2.水量が少なく、渓相が今一
 3.魚影が薄い
 4.マムシの多い渓だと噂があった。
 5.拾い物事件                   ・・・・・・・・・等である。

 1番目は、時間ができて、半日でも、釣りたいと思ったとき丁度いい谷だ。
 2番目は、雨が降れば何とかなるし、上流に行けばそれなり場所もある。
 3番目は、魚影は濃いほうが良いが、数にこだわる釣りではない。
 4番目は、春先なら全く問題はない。

 1〜4番目に関しては言い訳みたいなもので、全く問題ないのだが、5番目がなんとも厄介で、私をこの谷から遠ざけている原因だった。

 それは、10年程前の、3月からの徳島、高知の解禁を前に2月末のことだった。
「ちょっと面白い谷があるから行ってみない。あまりきつくないし、人があまり行かないから大きいのいるかもしれないよ」っと岡ちゃんを誘ってK谷に出かけた.釣果はあまりよくなかったが、それでも何尾かのアマゴが遊んでくれたことに満足して、いつものように15分程のきつい斜面を登り始めた。5分ほど登ったところで白いものが目に入り、それを拾った。
「何だ、紙か」
そのまま捨てていればなんでもなかったのだが
「何か書いてあるよ」 と読み始めた。
「わぁーーーこれ遺書じゃない」 と岡ちゃんに差し出した。
「ほんとだ、どうしようか・・・・・・・」
二人は、顔を見合わせた。そして、恐々と辺りを確認した。
「何もないようだけど・・・・・・」
「やっぱり、警察に届けるべきだよこれ」
それから、物凄いスピードで林道に這いあがった。
林道を車止めに向かうまでも怖かった。林道のカーブを曲がったとことに車が止まっていて、嫌な予感がする。ある種の正義感から恐る恐る中を覗き込んだ。
「ビックリさせやがって、何だ廃車かよ、こんなところに車捨てるんじゃないよ」
「大丈夫、大丈夫・・・・・・」
冷静さを装うとしたが二人とも相当動揺していた。
車止めに着き、着替えもせず、一目散に山を下って、近くの派出所に飛び込んだ。その派出所は無人の派出所で「御用の方は××署に電話してください」と書いてあった。すがるような気持ちで電話をした。
「どうかされましたか?」
「斯く斯く云々なんですが・・・・・どうすればよいでしょうか?」
「わかりました、そちらに行きますので30分ほどお待ちください」とのことだった。
「待っていますので早く来てください」
が、この30分が長かった。岡ちゃんと二人、会話が途切れると不安になるので、訳のわからないことをしゃべり続けたような気がする。やがて、パトカーが到着した。
 「実は、こんなものを拾ったのですか」と遺書を差し出した。
 警官二人も、オドオドしている小心者の二人に同情している様子で
 「わかりました。今日は遅いので後日調べてみます。」
 「すみませんが、気になるもので何かわかりましたら電話してください・・・・・」と、自宅の電話番号を告げた。あれから、警察から電話はかかっていない。また、遺体が見つかったとの情報も無い。思いとどまってくれていればいいのだが・・・・・・・・

 そんなことでK谷には近づいていなかったが、先週、カッキヤンとの二日目の釣行、カッキヤンの帰りの時間もあり、2、3時間の釣りということでK谷に入渓した。(二人だし、10年近く経っているし、あの時の怖さも薄らいでいるし、もう、大丈夫だろうから・・・・・)
 先週、K谷からの帰りに上流に向かって車で走っていると、伐採している隙間から谷底を見ると気になる滝が2つあった。

林道の伐採の隙間からから見えた滝二つ(霧がかかって見えにくいが)
滝下の淵もあり、大物の予感がただよっていた。

 来週からの高知、徳島が解禁するため、今週は体を休めるために釣りには、行かないつもりでいたが、うまい具合に、暖かい雨が降り、先週見た滝の淵が気になって仕方なく、拾い物事件の恐怖より、釣りたい気持ちが勝り10時過ぎにK谷に向かい家をでた。

 滝の淵2箇所だけを釣るつもりでK谷に降り立ったが、雨のために先週より2,3cm増水している様子で、先週納竿した上の小渕が良さそうだったので竿を出した。一投目から5寸程度のアマゴが上がってきたのに気を良くして、ポイントごとに竿を出した。
 

K谷アマゴ(18cm)
以前放流したのが天然化したのか
はたまた、その子孫なのか
朱点の数が多いヒレピンのアマゴ

 

最初の滝(10m)
水深が浅くアタリがなかった。

2番目2条の滝(8m)美しい
水深もあり、大物の予感があったが
上がってくるのはハヤばかり、20匹以上は釣った
ここで納竿

 いよいよ最初の滝淵、二又に入ってすぐの場所で小さなアマゴを釣り上げ、期待が大きく膨らんだが、滝下の淵は殆ど水深がなく、あたりもなかった。
 2番目の滝淵、こちらの滝下は20畳敷き淵を形成していて、水深も2m近くあり、大物の予感をただよわせていたが、釣れてくるのはハヤばかり、10匹、15匹とハヤを釣り続けた20匹ハヤを釣ってしまえばアマゴに変わるだろうと思っていたが結局最後までハヤばかり、きりがないのでここで納竿とした。 

 
釣果6匹 最大18cm
    (ハヤ50匹以上)